岡山市は、市中心部の3エリアを対象にした通行量調査の結果をまとめた。昨年9月にグランドオープンした岡山芸術創造劇場ハレノワ(同市北区表町)周辺は同月以降、通行量が大幅に増加。新型コロナウイルス禍前と比べても上回った。一方でJR岡山駅付近など他の2エリアはコロナ禍前に及んでいない。
携帯電話位置情報のビッグデータを使った人流動向(15分滞在人口)で分析した。ハレノワを含む「表町3丁目」▽商店街や百貨店が立地する「表町」▽JR岡山駅や岡山城など「都心」―の3エリアに関して2023年1~10月の休日平均を抽出。コロナ禍前の19年同月と比較した。
市の分析によると表町3丁目エリアの通行量は、23年1~8月は各月2267~2950人で推移。ハレノワ開業後の9月は3772人、10月は4869人とそれぞれアップした。
19年同月との比較では、63.7~81.5%だった1~8月に対し、9月は123.4%、10月は162.8%と100%を上回った。「ハレノワのオープンを機に周辺でマルシェや音楽イベントが催され、相乗効果が生まれている」と市産業振興課。
一方で「表町」「都心」の2エリアは、9、10月は通行量がやや増加しているものの、19年同月比ではいずれも79.2~86.7%にとどまっている。
市政策企画課は「ハレノワの開業で増えた人の流れをどう中心部全体に流すかが課題。今後、方策を検討していきたい」としている。