「悪意は辞めて」「独善が過ぎる」ひろゆきに米山元知事が不快感…視聴者も「ディベートに勝つことしか考えてない」と苦言

(写真:時事通信)

ひろゆきこと西村博之氏(47)が1月13日、『ABEMA Prime』(ABEMA)で元新潟県知事の米山隆一衆議院議員(56)と対談。能登半島地震を受け、限界集落の“集団移住”について話した。

1月8日、Xに《非常に言いづらい事ですが、今回の復興では、人口が減り、地震前から維持が困難になっていた集落では、復興ではなく移住を選択する事をきちんと組織的に行うべきだと思います。地震は、今後も起ります。現在の日本の人口動態で、その全てを旧に復する事は出来ません。現実を見据えた対応をと思います》と投稿していた米山氏。高齢化した集落はインフラを整備するより、住民を住みやすい地域に移住させるべきだとの考えを示した。

この日の『ABEMA Prime』で米山氏は、平時にこの議論を持ち出したとしても“いま大丈夫だから(移住はしなくて)大丈夫じゃない?”と言われてしまうと指摘。新潟県知事を務めた経験から、人口が減少するなかでインフラ維持のために現在と同じように費用を割き続けることは難しいと指摘。「住みやすいところに住んでいただこうってごく普通のことだと、僕は当然の提案だと思うんです」と主張した。

しかしひろゆき氏は「人が死んでて埋まってるときにやるべきじゃないよねっていう普通の話を僕してるんですよ」と反論。さらに、「結局平時の場合だと注目浴びないから、じゃあ炎上したほうがわりと注目浴びるよねっていう、なんか“炎上芸人”的な動きの結果がいま(この議論をすること)なのか」とも続けた。

“炎上芸人”のようだと言われた米山氏は、「そういう悪意はやめようよ、本当に。意味ないから」と呆れたような笑みを見せた。ひろゆき氏はなおも「1ヵ月後じゃなぜ意味ないんすか。僕わかんないです。1ヵ月後だとなぜこの議論が意味がないんですか」と食い下がったが、米山氏は「ほとんど本質的じゃない」と、細部を指摘するひろゆきに不快感をあらわにした。

さらにひろゆき氏は「人が(今後)住まないんだからインフラ投資しなくていいよねっていうふうに考えてしまうっていう実害があるんですよ」と語り、いまの時点で移住の議論を持ち出すことによって義援金が減る可能性を指摘した。しかし米山氏は「“義援金が減ったら”というのはあなたの一懸念でしかないわけですよ。べつに本当に義援金減るかどうかわかんないですよ。むしろ新しい取り組みとして“移住にこれから支援します”“町場に行っていただくことに公的に支援します”“だからお金足りないから義援金お願いします”って言ったらむしろもっと(義援金は)増えるかもしれない」「自分の勝手な懸念をまるで絶対かのように言って、しかも“議論すんな”みたいな話ってちょっと独善が過ぎると思うよ」と指摘。

それでもひろゆき氏は、未だ被害の全容が明らかではないことから「移住させられる人たちがどういう状況かって把握もしてなくて、東京に住んでる人たちが“こうすべきだ”“移住すべきだ”とか今の時点で判断すべきだっていうのは違うでしょ」と主張。しかし米山氏はあくまで“集落ごと移住する選択肢を震災を機に考えるべき”というスタンスであり、ひろゆき氏に対して「そんな話誰もしてないから。常にそうやって話変えるけど、まずね、大きな方針として移住も考えなきゃいけませんよねって議論をしてるだけじゃないですか。個別の話なんてできっこないし、しようともしてないわけですよ。それを“いや個別のことはできないだろ”“今するな”みたいな話に極論に変えるのはやめてください」と言い返した。

また、ひろゆき氏は集団移住は「移住する本人が決めるべき」と主張し、「能登の人たちが議論に参加しないところで、大方針として“移住にするんだ”とかいうのを決めるのは東京の無意味なことをやってる感じがする」と苦言を呈したが、司会進行を務めた平石直之アナウンサー(49)が「強制移住させるっていう話はしてない」とたしなめる場面もあった。

集団移住の概略について話したい米山氏だったが、細部を指摘し続けるひろゆき氏によって議論が深まらない結果に。コメント欄には、ひろゆき氏に対して批判的な声が相次いでいる。

《ひろゆきはマウント取りに躍起になるんじゃなくて、本筋のところで議論を深めて欲しい。こんな大事なトピックだからこそ、小競り合いに終始するのではなく誠実な態度で対峙しなくてはいけないんじゃないかなぁ。》
《ひろゆきさんの言ってることは感情論と屁理屈だけ。言葉尻をとらえて人を貶めることしか考えてないように感じてしまう。米山さん言ってることが圧倒的に正しいと思うのだが。》
《ひろゆきってこんなんだっけ?行政が出来ることって視点では米山の言ってることは十分理解出来るものなのに、ディベートで勝つことしか考えてないから議論を深めることの邪魔にしかなってない。》

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