兵庫の特殊詐欺被害、23年は過去最多1200件超 被害金額20億円近くか 阻止も1800件超

神戸新聞NEXT

 兵庫県警が昨年に県内で認知した特殊詐欺被害が1200件超に上り、年間の過去最多を更新することが分かった。被害金額も過去最悪だった2013年の20億1千万円近くになることが見込まれ、県警は金融機関などで被害を未然に防ぐ水際阻止などの強化に力を入れる。

 県警によると、昨年1~11月の特殊詐欺被害は1129件(約18億2千万円)。12月分の集計確定はまだだが、県警生活安全企画課によると、年間件数は過去最多だった04年の1140件を上回る見込みという。

 被害とは別に、昨年1~11月の「不審な電話を受けた」などの相談は7128件に上り、前年同期の4469件の約1.6倍に増えた。コンビニや金融機関、親族らが被害を防いだ水際阻止は前年同期比約1.2倍の1833件を数えた。

 被害と相談、阻止を足すと、少なくとも1万件以上は何らかの連絡があったことになり、同課は「アポ電なども含め連絡自体が大幅に増えた」と推測する。

 同課の池添塁次席はこうした状況に「まずは電話口に直接出ないでほしい」と訴える。特殊詐欺犯は、留守番電話に切り替わると諦めることが多いとされ、「電話に出たとしてもすぐに動かず、誰かに相談してほしい」と話す。

 コンビニやタクシー、行政など、さまざまな企業や地域の協力を得て、水際阻止を進めるといい、「慌ててATMを操作する人を見かけたら声をかけてほしい」と県民にも協力を呼びかけた。(篠原拓真)

© 株式会社神戸新聞社