クレー射撃協会、不適切経理か 選手支援金事業、返還要求も

 日本クレー射撃協会が五輪選手輩出のための支援金を募った事業で、不適切経理の疑いがあることが15日、複数の関係者への取材で分かった。集まった計240万円の一部で目的外使用などがあり、返金を求める協賛社もある。

 この事業は選手の海外派遣などの資金を募るため、2021年10月の理事会で決定。関係者によると、支援金の一部がトップ選手不在の大会の賞金や、協会職員の臨時給与に充てられたという。協会と別団体の口座に振り込むよう求められたケースもあった。

 60万円を寄付した会社経営者の丸石博氏は共同通信の取材に「強化のために充ててほしかったのが、本来の目的で使われず誠に遺憾」と述べた。協会は「問題は認識しているが、それ以上はコメントできない」とした。

 日本協会を巡っては、この件も含めて告発する匿名文書が昨年、日本オリンピック委員会(JOC)に届いた。JOCの指示で実施した第三者の弁護士による調査では「適正な組織運営、資金管理を阻害しかねない不適切な行為といい得る」と指摘された。

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