中三弘前店(青森県)のジュンク堂書店、4月末閉店 集客の核、売り上げ減で

ジュンク堂書店弘前中三店の店内に設置された、閉店を知らせる看板=15日午後、弘前市
専門書や実用書、雑誌などを幅広くそろえたジュンク堂書店弘前中三店の店内=15日午後、弘前市

 百貨店の中三(本社青森県弘前市)は15日、中三弘前店(同市土手町)にある「ジュンク堂書店」を4月30日を最後に閉店すると発表した。書籍のオンライン販売や電子書籍の普及に伴い、売り上げが落ち込んだのが理由。市中心街では2000年11月に今泉書店、19年5月に紀伊國屋書店弘前店が閉店。学園都市、文化都市を象徴する大型書店がまた姿を消すことになる。

 ジュンク堂書店は12年5月の中三弘前店リニューアルの一環で、県内最大規模の書店として6、7階フロアにオープン。一般書、専門書を中心に、漫画や文庫、郷土出版など幅広い書籍を販売してきた。全国展開する書籍販売大手の「丸善ジュンク堂書店」(本社東京)の県内初店舗で、同社と中三がフランチャイズ契約を結び運営していた。

 中三の担当者によると、同書店は開店初年度をピークに売り上げが減少。18年5月の店舗リニューアルで売り場を6階に集約し、売り場面積は約2590平方メートルから約2211平方メートルに縮小した。蔵書数は80万冊から18万冊に減らした。

 同書店は地下フードコートの名物みそラーメン「中みそ」に並ぶ、弘前店集客の核となる店舗。中三担当者は「売り上げが復調できないと判断した。弘前店の象徴的な店舗だったので痛手だ」と話した。

 6階フロアにある文具売り場「MARUZEN(まるぜん)」も閉店する。従業員ら21人は弘前店で雇用を継続する。同社はホームページと店内の張り紙で来店者に閉店を知らせた。1月20日からは「感謝セール」「売り尽くしセール」を開くとしている。

 閉店後のフロアの空きスペースは、書籍関連ではない業態とテナント入居の交渉を続けている。中三の松林由縁(ゆかり)社長(弘前店長兼任)は「今後は新たな魅力を持つ売り場の展開を検討していく」と文書でコメントを出した。

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