日本代表、アジアカップ初戦で評価を上げた4名の選手

日本代表はアジアカップ初戦、フィリップ・トルシエ監督率いるベトナムに4-2の逆転勝利を収めた。

最初の試合ということもあり堅く入ったゲームでセットプレーから2失点をしたものの、終わってみれば日本が強さを見せつける内容となった。

そんなベトナム戦で評価を上げた4名の日本代表選手を紹介する。

南野拓実

まずはこの試合のマン・オブ・ザ・マッチに輝いたモナコの18番。

前半はベトナムのハイラインとコンパクトな守備、精度のあるビルドアップに対して周りとの関係性がうまくいかない場面もあったが、そうしたなかで11分にコーナーキックから先制点をゲット。

逆転されて迎えた45分には遠藤航のラストパスを呼び込み、冷静にゴール右隅に流し込んでみせた。A代表での2得点は2021年5月のミャンマー戦以来となる。

守備のスイッチを入れた際の迫力は紛れもなくリヴァプール仕込み。インサイドハーフ気味にプレーした後半の出来も出色であり、この日の日本のベストプレーヤーだった。

中村敬斗

日本代表、6試合出場で6ゴール。23歳のMFは尋常ならざるペースで得点を積み上げている。

これまではゴール前のこぼれ球やラストパスを仕上げる形のゴールが目立っていたが、今回はゼロから生み出したに等しい一撃。

マイナスにボールを持ち出し、得意の角度から放たれたボールは予定通りの軌道を描き切った。前半ラストに決まったこのスーパーゴールがなければより難しい試合展開になっていた可能性もあるだろう。

左サイドでの動きも整理されており、周りに判断をさせる“奥行き”がある。自身の判断に関してはまだまだ向上しなければならない部分もあるが、三菱養和SC育ちの23歳は日々進化を見せている。

伊藤洋輝

ここ一年、右サイドの連携で形を作ることが多かった日本代表。ただ今回のベトナム戦は左サイドからの崩しが目立った。手綱を握っていたのは、“偽サイドバック”としての役割が板についてきた伊藤洋輝だ。

時にはセンターバックの谷口彰悟よりも内側に入り、縦を見せながら左サイドに張る中村敬斗にボールを供給。自慢の左足で逆サイドへの展開もお手の物だった。

オーバーラップのタイミングも的確で、質と量を兼ね備えた良質なサイドバックとして日本代表のレギュラーに相応しい選手になっている。

もちろん成長の余地はあるものの、元日のタイ戦でデビューした三浦颯太のように国内から今後も出てくるであろう左利きの左サイドバックにとって“基準”となる選手だ。

谷口彰悟

アジアカップメンバーで最年長の32歳。今回の海外組で唯一中東のカタールでプレーしているが、そんなことを感じさせないパフォーマンスをベトナム戦でも見せた。

谷口の一番の魅力は「準備」の部分。象徴的なシーンが32分に菅原由勢が独走しかけた相手を倒してイエローカードを受けた場面だろう。並走していた谷口の対応が少しでも悪ければ菅原はDOGSOで退場していたに違いない。

カタールワールドカップ、スペイン戦の大抜擢でも明らかなように、国内の川崎フロンターレで自らを律しこのレベルまで到達したことは現在Jリーグでプレーする多くの選手の希望となっているはず。

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持ち味の一つであるビルドアップ能力は冨安健洋や板倉滉に匹敵。総合力や経験値で彼らが上であることは事実だが、“偉大な3番手”と言える。

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