【タイ】ICE部品市場、EV生産拡大で1割縮小へ[車両]

タイのカシコン銀行傘下のシンクタンク、カシコン・リサーチセンターは12日、タイで電気自動車(EV)の生産拡大に伴い、内燃機関(ICE)車部品の市場が2030年までに11.5%縮小するとするリポートを発表した。タイには、ICE車にしか使用されない部品を生産するメーカーが350社以上あり、生産する部品の市場価値は24年時点で計2,847億バーツ(約1兆1,870億円)だが、30年に2,520億6,000万バーツに縮小すると予測する。

カシコン・リサーチは電動車(xEV)市場とEV生産の拡大予測、その影響などについてまとめた。23年の国内の自動車市場に占める各セグメントの内訳は内燃機関(ICE)車が77%、ハイブリッド車(HV)・プラグインハイブリッド車(PHV)が13%、EVが10%だったとし、24年にはEVが15%、HV・PHVが16%にそれぞれ拡大し、ICE車は69%まで落ちると予測している。

乗用車市場に限れば、EVの占める割合は今年28%、HV・PHVは30%にそれぞれ達すると予測。ピックアップトラックは技術・コスト面の課題から、今年まずHV・PHV化が徐々に進むとしている。

タイでは今年、EV生産も本格化する。政府は30年までに自動車生産の30%をEVにすることを目標に掲げている。

カシコン・リサーチによると、24年時点の同割合はICE車が86%、HV・PHVが11%、EVが4%。30年にはEVが29%に増え、ICE車が47%、HV・PHVが24%に変化するとみている。EVには不要とされる部品の市場は年率2%ずつ縮小。エンジン・その他部品の市場が1,761億2,000万バーツ規模、トランスミッション(変速機)部品が759億4,000万バーツ規模にそれぞれ縮小すると予測している。

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