全国剣道選抜県予選特集 男子(1) 夏の王者・大分鶴崎が頂点を目指す 【大分県】

剣道の全国選抜大会出場を懸けた県予選が21日に開催される。男子は明豊が頭一つ抜けているが、大分鶴崎が対抗馬となり、柳ケ浦や杵築も虎視眈々(たんたん)と頂点を狙う。「ストップ・ザ・明豊」を目指すライバル校を紹介する。第1回目は昨夏の県高校総体で明豊に勝利し、全国高校総体に出場した大分鶴崎だ。

県高校総体で優勝の立役者となった松本歩己(1年)と昨年11月の県高校新人大会の個人戦で5位となった宇都宮悠真(2年)の二枚看板を擁し、強豪・明豊に挑む。県高校新人大会の団体戦では準優勝となったが、「(優勝した)明豊との差を感じた。一本に対する執念がすさまじく、一瞬の隙を突かれた」と姫野翔監督。大会後は集中力持続を課題に挙げ、稽古を積んだ。

集中力を高め、稽古に励む

明豊への苦手意識はなく、県高校総体の再現を狙う選手たちは気持ちが高ぶっている。宇都宮は「個々の力は明豊が上だが、それぞれが役割を考え、ミスなくつなぐことができれば勝機はある。守りに入らず、思い切りの良さを忘れずに戦うだけ。最後は自分が勝負を決めたい」と意気込みを語った。優勝の味を知る松本は、怖いもの知らずの勢いがあったが、夏以降は負けられない思いが強くなった。本来の思い切りの良さが消え、一時期はスランプに陥ったが県新人大会で負けを知ったことで「肩の荷が降り、動きが良くなっている」(姫野監督)。

松本、宇都宮の他にも、元気のいい浜田龍聖(1年)、相手が嫌がる剣道ができる曲者の衛藤日向(2年)と個性的な選手がそろう。「明豊の牙城を破るのは自分たちだ」との思いは強い。大会に向けて、選手だけで話し合いの場を設け、役割や団体としての戦い方を再確認し、一体感を高めている。姫野監督は「ある程度のポジション(順番)は決めているが、自分の剣道をして勝負をしてほしい。秘策なんてないので焦らず、粘り強く、勝ちたい思いを見せてほしい」と期待を込めた。

昨夏の県高校総体の再現を目指す大分鶴崎

(柚野真也)

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