道の駅常総、オープン半年で100万人 デジタル周遊地図作成へ 年内に温浴施設も 茨城 

大勢の観光客でにぎわう道の駅常総=常総市むすびまち

2023年4月にオープンした道の駅常総(茨城県常総市むすびまち)が人気を集めている。オープン半年後で当初年間目標とした来場者100万人を達成。家族連れなど茨城県内外から足を運ぶ観光スポットとなった。高まる人気を背景に、市は道の駅を起点とした観光振興を図ろうと、周遊マップ作成に取り組んでいる。

道の駅常総は農業の6次産業化を進める産業団地「アグリサイエンスバレー常総」の一角にある。茨城県内16番目の道の駅で「食・農・楽」をテーマに掲げ、県産の農産物や加工食品を多く取り扱っているのが特徴だ。市によると、来場者が多い月は約21万人、少ない月でも約13万人が訪れ、「道の駅自体を目的地とした滞在型観光施設」として定着しつつある。

人気の背景には、地元産品を生かしたオリジナル商品の販売や、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)常総インターチェンジ(IC)に隣接したアクセスの良さが挙げられる。来場者による交流サイト(SNS)での口コミや新聞、テレビなどへのメディア露出の多さも人気を後押ししている。

加えて、団地内の民間集客施設との相乗効果もある。現在、大規模なイチゴ農園がある「グランベリー大地」や、カフェなどのテナントが入る大型書店「TSUTAYA BOOKSTORE常総インターチェンジ」が営業している。今年中には、敷地面積約2万平方メートルの温浴施設が開業を予定する。

このほか、都市公園の建設も決定している。今年以降に整備が始まる見込みで、市民アンケートの結果を基に規模などを決めるという。

同市の神達岳志市長は「オープンを予定する温浴施設や圏央道4車線化との相乗効果で、これからも年間100万人を着実に達成したい」と意気込む。

一方で、道の駅に集中する観光客をいかに市内に引き込むかが今後の課題だ。同市は市内の観光スポットや飲食店を紹介する「デジタル観光周遊マップ」の構築に取り組む。専用アプリやウェブ上から閲覧できるマップで、市内のアウトドアスポット、神社仏閣、飲食店やその場所を紹介する。本年度中の稼働を目指している。

市アグリサイエンスバレー整備課の担当者は「道の駅を起点に市内の観光地を訪れ、その様子をSNSで発信してもらうことで、さらなる観光客を呼び込む好循環をつくっていきたい」と話している。

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