「解散は総選挙の●●」元衆院議員豊田真由子氏、議員の行動力学を語る 選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2024年1月13日に公開された動画のテーマは……解散総選挙は2024年にあるの?

ゲストに元衆議院議員の豊田真由子氏をお招きし、解散総選挙について語っていただきました。

2023年夏に、解散を先延ばししましたが、あの時の意思決定は……そして総裁選を控えた今、解散のタイミングは?

【このトピックのポイント】
・解散総選挙、総裁選の前にやる?やらない?
・解散に見る、議員の行動力学と国民の視点の違いとは
・【結論】解散総選挙は総裁選の後?

解散総選挙はいつ?刻々と変わる潮目、豊田真由子氏の読みは

MC鈴木邦和「2023年夏、(解散総選挙を)先延ばしにした結果、いまかなり苦しいことになっていると思いますが……」

豊田真由子氏「歴史や政治に『もし』や『たられば』はないといえ、こんなふうになるとは、みなさん思ってなかったですよね」

解散総選挙があり得るタイミングと報道されているのは、以下の通りです。

このように、いつ解散があってもおかしくないと予想されるような状況ですが、ゲストの豊田真由子氏は、能登半島地震への対応が急がれる中、直近(1〜3月)で総選挙をやる状況ではないと主張します。

加えて、政治不信への対応も急がれます。

豊田氏は、政治資金規正法の法律の強化、そもそも法律を守っていなかったことが問題なので、やらなければならないことはたくさんあるはずで、一定の成果を出すとなると時間がかなりかかると指摘します。

豊田氏「何をもって、これが国民の信頼を回復できる成果としての改革なのかというところにもよるか……何をやっても国民は納得しないんじゃないかという説も……」

政治改革に一定の結論を出してからでないとダメだという前提に立っても、国会では予算審議や、各省庁が作る法律の審議などがあるため問題だ、と元官僚でもあった豊田氏は説明します。

豊田氏「拙速に、とりあえず解散したいからこれでいいだろうなものを出されても困りません?」

豊田氏は、改革も選挙も、それが国民のためになるんだということ自体を目的にしないとダメだと力を込めます。

昨年末、選挙プランナーの松田馨氏によると、解散総選挙は今年の6月が有力ではないか、という見解があったことについても、能登半島地震の前であれば定額減税や訪米などのイベントがあったのでじゅうぶんあり得たものの、状況が変わってきていると思う、と言葉を濁します。

豊田氏「ただ、解散総選挙と総裁選の順番ということでいえば、今の自民党的には解散は総選挙の後で、ですよねという突き上げは強いですよね」

岸田政権の支持率が低い中、総選挙を行わずに岸田総理が総裁選を戦うことについて、MC鈴木はある可能性を提示します。

今回、議席の増減があったとしても、自民党政権から交代する可能性は低いと予想されます。

MC鈴木は、総裁選の前に解散して自民党が議席多数を獲得すれば、直後の総裁選で、党首を変えようとする国会議員の熱量が下がるため、岸田総理が続投ということになるのではないか、という仮説を提示します。

総裁選よりも、議員の行動力学と国民目線のズレ?

MC鈴木が提示した仮説について豊田氏は、思わずエキサイトします。

豊田氏「議員側の行動力学として、自分の選挙でこの人だと勝てるか勝てないかで総理を決めないでくれよ……わたくし一国民の立場なので、国民の声を代弁してみました!」

MC鈴木は、国会議員が総裁を選ぶ基準は、国民の基準と違う中、選挙も大きな判断基準になるのではないか、総選挙が終わったら判断基準が変わるのではないか、という仮説をぶつけます。

豊田氏「なんか……どんぐりの背比べ」

とはいいながら、行動力学は変わると思うと分析します。結果を見たときの数字の違いを考えると、どなたが出てきてどう戦うのかにもよるので、国民としては違和感を覚えるような表情を浮かべます。

豊田氏は、仮に総選挙が先だったとしても、国会議員も、誰が日本国の総理大臣としてふさわしいかまったく考えないわけではないと断言しますが……

豊田氏「岸田さんを含め、どなたがきちんとやれるか、という意味であまり動かないかもなあ……」

豊田氏は、政治家というものに客観的な評価基準がないことの難しさを指摘します。

たとえば、歌手や将棋棋士には歌がうまい、対局で勝つといった客観的な基準がありますが、政治家にはそういった「客観的で公正なひとつの基準がない」、それが政治家の恐ろしいところで、むちゃくちゃな争いが起こると豊田氏は訴えます。

豊田氏「選挙で勝つといったってブラックボックスだから。みそぎが終わったとかいうけれど、みそぎの立て方はドロドロなんだから」

豊田氏は、「有権者の評価基準も新しい時代には変えた方がいい」と語り、自身の議員時代の活動を振り返ります。

豊田氏は、国会議員が地域に入っていくことは大事で、地域の声を直接聞く意味があると強く訴えます。しかし、有権者になかなか議員の活動が伝わらない。

豊田氏「毎朝駅に立っても、町内会の盆踊りに1日30回行って盆踊り踊っても神輿担いでも、その瞬間って、その地域のため、日本国のため、日本国民のため、何ひとつやってないでしょ?」

その上で、政治家が地元を回っていても、地元の声をたいして聴けていない、と揶揄されることについては、「それは聴き方」と断言します。

豊田氏は議員時代、会合の参加者全員にお酌して、数分間の短い会話の内容を全部メモすることを続けたそうです。多くの議員は大きな会合を選んで参加したり、地域の重鎮だけと会ったりすることが普通な中……

MC鈴木「それを720人ができるかといったら到底できない。そもそも、それを評価されるしくみになっていない。それはしんどいじゃないですか」

豊田氏「共感力があまりあると、政治家に向かないですよ。ほんとにおかしくなっていったので」

MC鈴木「自分のリソースを限界まで削っちゃうんですよね」

豊田氏は、バランスを取るやり方が見つけられればよかったと振り返りました。

【結論】解散総選挙は9月の総裁選の後?

豊田氏は、9月の自民党総裁選の前に解散総選挙の可能性は低いという根拠として、能登半島地震の復興や政治不信の回復など、今やらなければならないことを優先すべきというスジ論に加え、「もうちょっと先のほうが、本当の意味で政治にとっていいんじゃないですか?」と、国政ですべきことを列挙します。

豊田氏「政局や、それぞれの損得で考えれば違うと思いますけどね」

政局の観点からは、連立をどうするかという点の判断が難しいことに加え、岸田総理のまわりに、議員をふくめ、影響力のある参謀となる存在が少ないことを指摘します。

豊田氏「安倍政権下では、菅官房長官しかり、まわりにたくさん人がいましたよ。支えるために、自分を賭しても動こうみたいな人がいましたよ」

とはいえ、これまでと違い、政治家のありようも変わってきているのだろうと豊田氏はコメントします。

メディアや国民からの批判にさらされることも増え、「いいか悪いかは別として」かつての大物政治家のように、「寝技的な動きがよしとされなくなっている、少なくなっているし、やれる環境にもなくなってきている」と分析しました。

ますます状況が複雑になる中、解散総選挙はどうなる?まだまだ目が離せません。

動画本編はこちら!

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