青森県弘前市中心街・土手町にただ一つ残っていた大型書店のジュンク堂がなくなるのを受け、関係者らに「文化都市弘前にとって大きなマイナス」との受け止めが広がった。
弘前ペンクラブの齋藤三千政会長は、かつては中心街に書店がいくつもあり、文化都市弘前を支えていた-と強調。「書かれたものを読む、という繰り返しが自分の中に残る。本がなくなれば、文化も廃れていくのでは」と懸念する。
市民グループ「弘前読書人倶楽部」代表で、かつて土手町で今泉書店を経営していた今泉昌一さん(68)は「装丁や手触り、厚さなど、手に取って感じる全てが本の魅力。出会いの場がなくなるのは寂しい」と語る。
県内唯一の出版取次会社である青森県図書教育用品(弘前市)の今泉規史社長は「本の売り上げは全国的に減っている。書店がどう活路を見いだすか、正念場の時代」と話す。
土手町商店街振興組合連合会の菊池清二理事長は、書店を取り巻く厳しい環境に理解を示しつつ「ジュンク堂の閉店で土手町の集客力が落ち、(他の店も)経営が厳しくなるだろう」と述べた。