小正月行事「吉浜のスネカ」家々巡る 大船渡、子どもの成長願う

スネカにすごまれ「いい子にします」と約束する子どもたち=15日、大船渡市三陸町吉浜

 岩手県大船渡市三陸町の小正月行事「吉浜のスネカ」は15日行われ、異形の面とわらみのをまとったスネカが「泣くわらしはいねえが」と家々を巡った。

 子どもの健やかな成長を願う伝統行事で、この日は10体が吉浜地区内の約400戸を回った。渡辺一彦さん(64)方を訪れたスネカは「フガフガ」と鼻を鳴らしながら居間に上がり「いい子にしてっが」と大声ですごんだ。孫で末崎小1年の佐々木香里奈さんは涙ぐみながら「いい子にします」と約束した。

 スネカは200年ほど前に始まり、2018年には「男鹿のナマハゲ」(秋田)など8県10件の行事で構成する「来訪神 仮面・仮装の神々」として国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。

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