プロ野球西武・隅田 3年目は全てで飛躍を 大村市出身、長崎で自主トレを公開

3年目の飛躍を誓って思い出の球場で調整する隅田投手=ビッグN

 プロ野球の西武で3年目を迎える長崎県大村市出身の隅田知一郎投手が15日、長崎市内での自主トレーニングを公開。県護国神社で坂ダッシュなどに汗を流し、絵馬に「タイトル獲得 全てにおいて飛躍」と今季の目標を書き込んだ後、県営ビッグNスタジアムで調整した。
 波佐見高、西日本工大を経て4球団競合のドラフト1位で入団。1年目こそ1勝9敗と勝ち星に恵まれなかったものの、昨季は初完封を含めて9勝(10敗)をマークした。11月はアジアプロ野球チャンピオンシップで侍ジャパンにも初選出された。
 今年は「松坂世代」でダイエーホークス時代から活躍するソフトバンクの42歳左腕、和田毅投手らとビッグNを主会場に始動。地元でエネルギーを蓄えてジャンプアップを誓う24歳左腕は「まずはライオンズの中で一番のピッチャーにならないと日本球界を背負えない」と頼もしかった。

◎一問一答 「奪三振こだわりたい」

「奪三振にはこだわっていく」と意気込みを語る隅田投手=ビッグN

 -昨季を振り返って。先発陣の一角として22試合に登板。奪三振128も投球回数131に近い数字を残した。
 特に満足できるシーズンじゃなかったし、もっとやれた。ライオンズのローテーションは豊富。必死の気持ちでスタートして勝ち取れたけれど、そこに満足するんじゃなくて、最初から勝てる準備をしていかないといけないと思った。三振も、もっと取りたい。今季への策はある。まだ秘密。

 -印象的な試合は。
 エスコンフィールド北海道(昨年8月9日の日本ハム戦)での完封は、最後までしっかり投げきることができた。1球で決めきる課題も多少克服できたし、次につながった試合。先頭打者に対して慎重にいくところと攻めていかないといけないところの加減も9イニング通してうまくやれた。

 -今年はビッグNで始動。同じ左腕の和田投手に師事した狙いと収穫は。
 あれだけ長い年月やられている選手がどこに根拠を持って練習しているのか、自分も憧れてもらえるような選手になるための練習は何なんだろうと知りたかった。ライオンズからは自分一人だけれど、和気あいあいときつい練習をやれた。地道なメニューもたくさんある中、全てに“こういう意図があるんだろうな”と感じることができた。

 -14日は小学生への野球教室を実施。自身も西大村小2年から大村クラブで競技を始めた。
 ビッグNではいい思いをさせてもらってきた。当時はプロ野球選手になりたいとプレーしていたけれど、こうして本当になってここにいることは感慨深い。長崎はプロのチームがなくて触れ合う機会が少ない。僕が小学生だったらすごいうれしいこと。和田さんだけじゃなくて、僕ももっとできるようになりたい。

 -3年目の目標を。
 奪三振はピッチャーの力量を表す数字。勝ち星は運などもある。奪三振は運任せじゃなくて自分を表現する自力のタイトルになる。そこにはこだわって奪三振王を取りたい。“隅田にはこれくらいやってもらわないといけない”というラインは高いところを求めてほしいし、そこをしっかりクリアできるよう、常に高みを目指していきたい。

 -長崎のファンへメッセージを。
 長崎で野球をする機会は少なくなったけれど、いずれはこのビッグNで投げる日が来ると信じて1年でも長くやりたい。まずは(ソフトバンクの本拠地である)ペイペイドームでもいいので応援に来てください。

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