東京都や中野区が実施 海外からの弾道ミサイル発射想定した訓練

東京都や中野区などが「海外から弾道ミサイルが発射されたこと」を想定した合同訓練を行いました。出席した小池知事は、参加者に有事の際の迅速な対応を呼びかけました。

弾道ミサイルの訓練には、東京都や中野区の職員、そして消防庁の隊員や中野区民など、総勢83人が参加しました。

弾道ミサイルが発射された際に緊急一時避難施設となっている都営大江戸線東中野駅では、警報が発令された場合の地下への迅速な避難の訓練を行いました。その後、近隣の公園に移動。ミサイルの一部が落下し、付着していた化学物質による被害が出た事を想定した除染や救助作業などの手順を確認しました。

(救急隊員)
「こちらは東京消防庁です。現在公園内に何らかの物体が落下しています。非常に危険なので公園の中には絶対に入らないでください」

弾道ミサイルを想定した救出救助訓練は、今回が初めてです。

(小池知事)
「(北朝鮮がミサイルを)また新たに発射したところでございまして、深刻かつ重大な脅威となっております。弾道ミサイルなどに対する備えの意識をどうぞいつも持っていていただきたい」

北朝鮮の弾道ミサイルが発射されるなど、ミサイルへの警戒が高まる中、東京都の備えについて詳しく見ていきます。ミサイルが発射された際の「緊急一時避難施設」は、都内では小学校や駅など4258カ所、設定されています。中でも地下に避難ができるのは、地下鉄の駅など、568カ所となっています。

施設は、爆風などから直接の被害を減らすために、1時間から2時間ほど、避難できるように定められていて、その後は、小学校の体育館など災害時の避難所として、定められている場所に移動する手順を東京都は定めています。

また、万が一を想定した訓練も都内で行われていまして、緊急一時避難施設でのミサイル落下を想定した訓練が、去年11月、都営地下鉄練馬駅で初めて行われています。この時の訓練は住民が速やかに避難できるよう実施したもので、都としては、ミサイルを想定した訓練自体も2018年以来5年ぶりでした。

そして1月15日に行われたのは、「救出」や「救助」などを想定したもので、こちらも弾道ミサイルを想定した訓練としては初めて実施されたということです。

相次いでミサイルを想定した訓練を行う理由について、都の担当者は、「新型コロナの流行が落ち着いたことと、一昨年ミサイルの発射が多く、国から訓練を実施するよう指示があったため」と説明しています。

また弾道ミサイルの警戒について小池知事は、Jアラートが発令された場合など、万が一の際には、一人一人が「逃げる」「離れる」「隠れる」この3つをしっかり行動するよう注意を呼びかけています。

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