岡山県一般会計7498億円要求 24年度当初予算 コロナ関連費減

2024年度当初予算の各部要求について説明する伊原木知事

 岡山県は16日、2024年度当初予算の各部要求額を発表した。一般会計は7498億5200万円で前年度当初予算額と比べて6.5%(523億2100万円)の減。新型コロナウイルスの5類移行に伴う関連経費の減少などで6年ぶりのマイナス要求となった。伊原木隆太知事が最重要課題に掲げる少子化対策をはじめ、教育再生や産業振興の関連事業費を重点的に計上している。

 要求額の縮小は新型コロナ関連経費の減に加え、県庁舎の耐震化工事と西日本豪雨被災地の河川の大規模改修が23年度末に終了することが要因。ただ、これらによる計545億円の減少分を除けば実質的に前年度と同じ規模となる。

 第3次県政中期行動計画「生き活(い)きプラン」(21~24年度)の総仕上げとして関連の76事業に109億2600万円を配分し、このうち少子化対策に3事業6億3100万円を充てる。教育再生に8事業9億9700万円、産業振興に22事業21億1200万円を振り向け、伊原木知事が12年の就任以来2本柱に掲げる両分野を強力に推進する。

 主な事業では、25年の大阪・関西万博を見据えた県内への周遊促進キャンペーン1億2400万円▽産後ケアや小児救急を強化する「おかやまママ安心サポート」事業8千万円▽教育支援センターの新設を軸とする不登校児童生徒の支援1600万円―などを打ち出した。

 この他、県北12市町村を舞台とする初のアートイベント「森の芸術祭」(9~11月)の開催経費には1億7200万円を計上。DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や脱炭素社会の実現に向けた新規事業も幅広く掲げた。

 要求額の目的別内訳を見ると、全体の7割を占める義務的経費が高齢者医療費の増大により0.5%増の5579億1700万円。投資的経費は県庁舎耐震化の完了などで10.8%減の750億6900万円となった。

 県は伊原木知事の査定を経て2月15日に予算案を公表し、同22日開会予定の定例県議会に提出する方針。知事は記者会見で「少子化対策は『できることは何でもする』という圧倒的な熱量で事業を検討している。人口減少問題に挑む私の強い思いに沿った予算要求となった」と述べた。

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