悩みは「RYO」 “キャプテン”ウィアのハワイ視察

プレジデンツカップでキャプテンを務めるマイク・ウィア(撮影/田辺安啓(JJ))

米男子ツアー「ソニーオープン」のプロアマが行われていた水曜日、ワイアラエCCの練習場にはすでにシニア入りしているカナダのマイク・ウィアがいた。

メジャー「マスターズ」ではレフティーとして初めてグリーンジャケットを羽織ったウィアは、今年9月にカナダ・モントリオールで開かれるチーム対抗戦「プレジデンツカップ」国際チームのキャプテンを務める。

ウィアは、「ソニーオープン」に出場予定ではなかったが、翌週、ハワイ島で開催されるチャンピオンズツアー開幕戦「三菱電機選手権」に出場のためにハワイに前入り。ソニーオープンの会場に“視察”に来ていたのだ。

“視察”の目的は、9月開催のプレジデンツカップに出場が見込まれる選手たちに挨拶し、親交を深めておこうというもの。

精力的に選手に話しかけていた相手の中には、2022年大会にも出場した松山英樹はもちろんのこと、「ソニーオープン」がPGAツアーのデビュー戦となった久常涼もいた。まだ半年以上も先の話ではあるものの、事前準備は怠らない、というのがキャプテンとしての責任感の表れだろう。

そんなウィアに、新年の挨拶も兼ねて話してみると、短い時間ではあったものの、いくつかの悩みも打ち明けてくれた。その一つが、久常の名前である。「またロウだね、いや違う、リュー、じゃないよね、なんだっけ?」

積極的に声をかけた(撮影/田辺安啓(JJ))

英語話者にとって、日本語のRYO(リョウ)という発音は最高級に難しいようで、石川遼が米ツアーに出場していた時も、選手や関係者、メディアも含めて「リョウ」を正しく発音できる人はごく少数だった。そして現れた久常“リョウ“の名前の発音に、ウィアは再び悩み初めているのだった。

「あまた新しい選手が登場して、まずは挨拶をしておくことは大切。カナダからは、今はコリー・コナーズやアダム・ハドウィンのほか、合計5人ぐらいの選手がチーム入りしそうなんだ。大勢いることはうれしいんだけど、みんなが出られるわけではないだろうし、悩ましいね」と自国開催の喜びと選手選びの難しさの板挟みの心境を語った。

ところで、「ソニーオープン」会場があるホノルルと、「三菱電機選手権」が開かれるハワイ島は別の島なのだが、この視察はキャプテンの仕事?と尋ねてみると「キャプテンとして来てるけど、(経費は)プライベートなんだ。まあ、家族もハワイに連れて来ているしね」と語る。

すでにキャプテンとしての職務はスタートしているようだ。(JJ田辺カメラマン)

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