お手てつないで野道を行けば…童謡がつないだ交流 和光の姉妹都市・米ロングビュー市にリス用「白子橋」

白子橋を模して造られたロングビュー市内のリス橋。両端には和光とロングビューの両市名が刻まれている(和光市提供)

 埼玉県和光市と姉妹都市締結している米国ワシントン州ロングビュー市の自然林を貫く道路の並木に和光市内の白子川に架かる白子橋のデザインを模した、リス横断用の橋が昨年10月、架けられた。

 ロ市の訪問団が和光市を来訪した際、市の花「サツキ」のデザインが施された白子橋の欄干に地元ゆかりの童謡詩人「清水かつら」が作詞し、1937年に米国で子役が歌って大ヒットした「靴が鳴る」の歌詞が刻まれていたことを見て、感銘を受けた同市の姉妹都市委員らが企画し、制作した。

 橋が設置されているのは、ロ市のサカジャウェア湖畔の日本庭園近く。幅約12メートルの道路の上空約7~8メートルの並木に架けられている。アルミニウム製で長さ約5メートル、幅約40センチ。欄干脇には和光市の花「サツキ」がデザインされ、橋の両端に「和光」と「ロングビュー」の市名が刻まれている。

 ロ市では交通量の多い道路をリスが安全に横断できるように並木に橋を架けており、この橋は同市内では9番目。除幕式には、制作に関わったロ市の姉妹都市委員会や市民のほか、和光市の公式訪問団も参加した。

 ロ市はワシントン州の南西部に位置し、面積は和光市の約3.5倍、人口は5分の2程度。東側はカウリッツ川、南側はコロンビア川が流れ、リスなどの野生動物が多く生息する。和光市とは高校生のホームステイをきっかけに交流が始まり、1999年に姉妹都市を締結した。

 その後は中学生や市民らをロ市に派遣したり、ネーティブによる英語教育の外国人講師(AET)をロ市から採用するなど相互交流を深めている。

 白子橋を模したリス橋が姉妹都市に架けられたことについて、和光市は「白子橋のデザインが再現されており、とてもすてきな橋が完成したと感じている。両市をつなぐ交流の懸け橋として、ロングビュー市民にも和光市のことをさらに知ってもらえたら」と話している。

白子川に架かる白子橋。欄干脇には「靴が鳴る」の歌詞が刻まれている

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