威勢よく競りの声 田辺市龍神村で木材初市、和歌山

威勢よく競りの声が響いた初市(いずれも和歌山県田辺市龍神村東で)

 和歌山県田辺市龍神村東の龍神村森林組合(眞砂佳明組合長)は12日、龍神木材共販所の初市を開いた。県内と大阪府、兵庫県、三重県、奈良県などから製材業者ら約60人が参加し、多くの見物人も訪れた。スギやヒノキを中心に約1715立方メートルが競りにかけられ、新年最初の木材市に威勢よい声が響いた。

 木材市は1971年度に始まり、884回目。今回は、昨年10月に予定していた西牟婁森林組合田辺木材共販所(上富田町生馬)との合同原木市「紀州材原木祭」と合わせて開催した。田辺木材共販所での木材市は11日にあった。

 開催に当たり、眞砂組合長や来賓の真砂充敏田辺市長があいさつ。その後、龍神村や田辺市本宮町、みなべ町、白浜町などから運ばれてきたヒノキやスギなどが次々と競り落とされた。

 眞砂組合長は「辰(たつ)年の初市なので、ここにある木は全て縁起物。今年は辰年ということで、龍神村の木材の良さをもっと売り込んでいきたい」と話した。

 龍神木材共販所によると、この日の取引額は約3千万円。1立方メートル当たりの平均単価はスギが約1万3800円、ヒノキは約2万1300円だった。質の良い木材がそろっていたことで、平均単価は昨年の初市よりもやや高かった。

 最も高い値を付けたのは、本宮町産で樹齢100年ほどのスギが1立方メートル当たり7万円。龍神村産で樹齢90年ほどのヒノキが1立方メートル当たり20万円だった。

 また、みなべ町高野で強風により倒れたカヤの大木も競りにかけられ、2立方メートルの丸太が1立方メートル当たり20万円の値が付いた。

競りにかけられるカヤの大木

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