「火祭り」の準備着々 本州最南端、和歌山・串本町潮岬の「望楼の芝」

本番に向け周囲の芝を焼く関係者(11日、和歌山県串本町潮岬で)

 和歌山県串本町潮岬の望楼の芝で「本州最南端の火祭り」が20日に行われるのを前に、主催する南紀串本観光協会が、本番で火が燃え広がらないよう周囲の芝を焼いて準備した。火祭りは悪天候の場合、27日に延期する。

 本州最南端の火祭りは、害虫を駆除し、新芽の生育を促進するために実施していた芝焼きを1997年から観光振興に活用しようとイベント化した。夕闇の中で燃え広がる様子を見物したり、撮影したりしようと毎年約3千人が訪れている。

 この日の作業には、観光協会、町、町消防本部などから約30人が参加した。火を付けた布を使って、望楼の芝の周囲を約4メートルの幅で焼いた。消防本部の職員が燃え広がらないよう手動のポンプで水をかけていた。

 観光協会の島野利之会長(56)は「天気にも恵まれ作業が順調に進んだ。本番に向けて万全の態勢を整えることができた。今年は4年ぶりに盛大に行いたいと思う。たくさんの方に来ていただいて、楽しんでもらえたら」と話している。

 20日は、午後1時から地元物産の販売、4時半からはトビウオのつみれが入った「しょらさん鍋」の振る舞いのほか、潮岬節保存会や串本節保存会、町トルコ文化協会による踊りの披露がある。5時からは芋餅の販売、5時20分から餅まきもある。

 式典は5時15分からで、5時半から串本古座高校弓道部による火矢射式と演出花火の打ち上げがあり、芝焼きが始まる。

 問い合わせは南紀串本観光協会(0735.62.3171)へ。

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