広島の企業が「フロムイーツ」で新鮮な農産物をお届け! 消費者と生産者の繋がりを作るために 地産地消率を上げる取り組みをプレゼン!【アナたにプレゼン・テレビ派】

【動画】農業で地方創生へ 食で地域を盛り上げる

広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。宮脇靖知アナウンサーが「地方創生アナウンサー」として、広島県内で、特に地域と関わりのある一次産業・農業などの取り組みと、サポートする人たちの役割についてプレゼンします。

2023年12月に、広島県が示した2024年の県政運営の基本方針としても、「観光分野における農水産物をブランド化していきたい」という指針を出しています。そして、観光面に関しては、今後5年間で「ガストロノミーツーリズム」というものを開発していきたいとしています。

「ガストロノミー」とは、食事全般を文化や芸術の域までしっかりと考えることによって、さらに奥深く楽しんでいくという言葉です。「ガストロノミーツーリズム」とは、「ガストロノミー」をツアーに組み込んだもので、生産の現場に行き、その思いを聞きながら、そこで採れた食材を使った料理を楽しみ、より深く食を楽しんでいく、それをツアーに組み込んでいくというものです。

しかし、広島県の人も、あまりその機会に触れてないという数字が出ています。広島県の食料自給率は22%しかありません。スーパーなどで県産品を買うように積極的に意識を持っていても、平均するとここまで低い数字になっています。消費されないので、意欲を持って取り組む農業従事者も、少なくなっているという現状があります。

この事態を打開しようと動き出しているのが、広島市南区の「ケンリース」というおしぼりレンタル業者です。県内に2000の取引先があります。独自の配送網を利用することで、業務用のおしぼりを運ぶトラックが産地に行き、野菜を積み、そのまま消費者の元に届けます。この配送網を活用して、食料自給率をアップさせていくという取り組みです。

独自の配送網を利用する事業を「フロムイーツ」と言い、2年前から動き出しました。作っている人と食べている人の距離を縮めることで、関係を築き、ファンを増やして、食で街を笑顔にしていきたいという思いがあります。プロジェクトリーダーの今田浩之さんは、「地域から盛り上げの機運を高めていきたい」と話しました。新型コロナの影響で、飲食店が営業できないことで取引が少なくなり、自分たちができる「今あるもの」を使って、どのように街を盛り上げていくかと考えた時に、ここにたどり着いたそうです。2年間で県内100の生産者と取引があるということです。

実績もあります。庄原市西城町の学校給食は、これまでは域内の地産地消率が、およそ30%でしたが、フロムイーツの輸送を使うことによって、県全体も含めての産物ではありますが、60%まで高めることができているそうです。

個人向けのサービスとして行っているのが「ひみつ野菜」という、野菜の宅配です。場所にもよりますが、収穫してすぐ、最短で4時間後には消費者の元に届くそうです。中身は、朝採れのトウモロコシや倉橋島のフルーツ、東広島の伝統野菜・青なすなど、鮮度の関係で流通が難しい農産物や、出荷量が少なく、スーパーではなかなか手に入らないものを届けてくれるということです。季節によって、品目なども変わります。1980円で、毎週もしくは隔週、月1回の配送を選ぶことができます。

そして、月に1回、イオンモール広島府中とエキキタパークで、マルシェを開催し、直接生産者から商品を買うことができます。また、生産者と消費者の繋がりを作っていきたいという思いから、ダンボールで作った木に、高野町で取れたりんごをぶら下げ、子供たちに収穫体験をして、農業や野菜に触れることができるようにしました。さらに、生産者にどういったリンゴがおいしいのか話を聞くことができたり、生産者自らどのように作ったのかを説明することもできます。消費者も、生産者の顔が見えることで愛着が湧き、より大切にいただこうと思います。

【テレビ派 2024年1月15日放送】

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