サクッと回れる魅力がいっぱい!桑名市駅前探索のショートトリップ -前編-

桑名市ってどこ?

三重県桑名市は、三重県の最北端のエリアに位置し、すぐ隣は愛知県や岐阜県になります。
電車にて近鉄線を使うと近鉄名古屋駅から急行で約16分で到着します。近鉄四日市からも急行で12分。愛知や三重の都市圏からもふらっと行きやすい場所です。

車でのアクセスにおいても、主要部へは国道1号線、国道23号線、東名阪自動車道、伊勢湾岸自動車道などを通ってアクセスでき、こちらも都市圏から行きやすいところにあります。

桑名市は観光資源に富んでおり、人気遊園地のナガシマスパーランド、長島温泉、歴史的施設の多度大社、六華苑、東海道の七里の渡しなど、どこかで聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。駅前周辺は東海道の歴史を感じる、風情漂う町並みを残す街になっています。
無形文化財には石取祭や連鶴の折り方の「桑名の千羽鶴」などがあり、蛤(はまぐり)料理に代表される食文化に加え、機械・金属系を中心とする工業都市でもあります。

駅前出発で回れるサイクリング周遊トリップのおすすめ

桑名市への観光というと、やはりナガシマスパーランドに車で家族や友人と来るということが多いでしょうか。
観光のメインを遊園地や温泉で過ごす1日に充てたあと、市内の宿に一泊して、翌日帰るまでの少しの時間で桑名駅前の施設をレンタサイクルでショートトリップするのはいかがでしょう?

長島に来て遊園地だけに使ってすぐ高速で帰ってしまうのはもったいない!駅前も観光しましょう。

また、冒頭に書いたように、愛知県や三重県からもサクッと来やすい場所にありますので、お近くの方は歴史的名所の観光に、ちょっとしたお休みの時間に見て回る観光にも良いと思います。

ということで、今回は電車で桑名駅に来て、レンタサイクルで観光ルートをご紹介します。

桑名駅前のエリアを中心にご紹介します!

モデルコースの全貌をご紹介

桑名駅に到着しましたら、まずは桑名市観光協会でレンタサイクルを借ります。自転車でゴー!

※本記事の取材時(2023年10月)はレンタサイクル「Charichari(チャリチャリ)」が桑名時代まつりにあわせて1週間の社会実験で駅前・市内各所に設置されていたので、チャリチャリを使いました!観光協会で借りられる自転車は常設されていますので、安心して利用ください。
※また、一部の施設には桑名市長さんと一緒に実証実験の一環として回ってきました。

モデルコースはこんな感じです。"サクッと"、"歴史を感じる"、をテーマにしてみました。

(前編記事はここまで。後半をお楽しみに!)

各スポットのご紹介!

ではでは、順に各スポットの詳細を紹介しますね。
食事のタイミングやお好みに合わせて順番を変えて回ってみても良いかと思います。

まずは桑名駅

桑名駅には近鉄線の他、JR線と養老鉄道線が停まります。便利ですね。
桑名駅は2020年に約50年ぶりのリニューアルをして、とてもきれいになったと共に、自由通路も供用されたので、自転車を押して駅のどちら側にも行き来が出来ます。

ダークカラーと差し色に茶色、レンガ調を組み合わせたおしゃれで幾何学的な桑名駅。チャリチャリでゴー!

自由通路を利用する場合は、自転車を押してエレベーターで上がります

桑名駅内の自由通路。コンビニやATMもあります。

レンタサイクルを借りて、いよいよ出発

さて、それでは桑名駅前から桑名市物産観光案内所に徒歩で移動して、レンタルサイクルで出発です。
観光案内所では、自転車のヘルメットも借りられて、観光マップの配布や説明も受けられます。

観光案内所からスタートして国道1号線に向かって走っていきますが、大きな道路である国道1号線の脇にある歩道は、歩行者と自転車でレーンが分けられていました。

桑名駅から歩いてすぐの場所にある桑名市物産観光案内所。ここで自転車が借りられる。

桑名市物産観光案内所でレンタルできる自転車。大きなかごもついていてお土産を買うのにも便利。

観光案内所の中には観光マップがあります。

レンタサイクルを借りる手続きをします。

社会実験中だったチャリチャリではスマートフォンで借りる方式でした

伊藤市長と一緒に出発!

国道1号線沿いの歩道は自転車レーンがありました

①寺町商店街で地元の人と話しながらフラフラ〜っと歩く

桑名駅から自転車で5分ほど走ると桑名寺町通り商店街に到着します。
桑名寺町通り商店街は、毎月3と8がつく日(3、8、13、18、23、28日)の朝市「三八市(通称:さんぱち)」には多くの出店者さんたちが集まり、大きく賑わう桑名の名物の一つになっています。

商店街散策マップ https://www.teramachi-kuwana.com/ より引用

三八市の日に当たればラッキー。地元の生産物を買って、会話も楽しみましょう

たくさんのかわいい地元っ子に会えることも

何気ない普段の暮らしが感じられる商店街

三八の日ではないタイミングでも少しお店が出ていました

②桑名宗社(桑名神社・中臣神社)にお参り

寺町商店街から5分ほど自転車で移動して、桑名宗社(桑名神社・中臣神社)にお参りします。
この神社は、春日神社とも呼ばれているのですが、桑名神社と中臣神社の2つがくっついている神社であることが特徴の一つです。

両社が仲睦まじく並ぶ姿から、とてもご縁の良い神社とされ、縁結びの祈願がたくさんあり、結婚式場も併設されています。

途中で走る街並みにも風情たっぷりです。ちょっぴり江戸時代に来たような気持ちに。

桑名宗社の門でパシャリ。

桑名宗社(俗称:春日神社)は、桑名神社と中臣神社が並ぶ珍しい神社

春日稲荷大明神

皇大神宮御分霊社や桑名東照宮もある

より静かな雰囲気の母山神社

ご祈祷の受付や御朱印受付、お守りの購入などができる

桑名神社と中臣神社が仲睦まじく並ぶ姿が良い縁結びにつながるとされ、縁に関するお願いがたくさんあった

ユネスコ無形文化遺産に登録されたくわな石取祭が描かれた桑名宗社の壁

石取祭や桑名市の歴史に興味がある方は、さらにここで石取会館桑名市博物館に行ってみましょう。

③柿安コミュニティパークで本多忠勝像を眺める

桑名宗社をあとにして、また5分ほど自転車で街並みを走りますと、大きな「柿安」の看板が見えてきます。看板を目印に進んでいくと、本多忠勝像が道沿いに現れます。
そこが柿安コミュニティパーク

七里の渡しと隣接するような位置関係で、公園や夏にはプールなど広い敷地で遊べるスペースがあります。

本多忠勝公は、戦国時代から江戸時代初めにかけての武将・大名で、伊勢桑名藩の初代藩主です。墓所が桑名市の浄土寺にあります。

あとで行く七里の渡しの隣接にありますが、柿安コミュニティーパーク内にも様々な治水に関する説明や関連施設が見れます。
取材日は少し寒い日でしたが、暖かい日は広い敷地でお弁当を食べるのも良いかもしれませんね。
すき焼きやしゃぶしゃぶが有名なお肉料理の料亭、柿安さんで食事を楽しむのもおすすめです!

治水管理棟。佇まいにも風情があります。水門を挟んで対岸が七里の渡しです。(こちらからは七里の渡しにはいけません)

すぐそばの柿安本店ではすき焼きやしゃぶしゃぶが有名なお肉料理を楽しむことが出来ます。

④九華公園で桑名城を感じる

柿安コミュニティパークの隣には九華公園があります。
これは旧桑名城跡であり、桑名城の本丸・二之丸一帯を公園として整備したものです。

現在は「九華」は"きゅうか"と読みますので、「九華公園」は"きゅうかこうえん"を読むのですが、江戸時代には九華と書いて「くわな」と読んでいたそうです。面白いですね。

九華公園の説明が書かれた案内板。

本多忠勝像側の入り口(北口)から九華公園に入ると、筏橋と九華橋を渡って、鎮国守国神社が目に入ってきます。
桑名城の本丸跡が鎮国守国神社の境内となっています。

鎭国守国神社は桑名城址の中にある神社で、天明4年(1784)に白河(現在の福島県白河市)城内に松平定綱(鎭国公)を祀ったのが始まりで、文政6年(1823)に松平越中家が白河から桑名へ移封したのにともない、桑名城本丸に移りました。幕末の桑名藩の歴史を見つめてきた神社となっています。

鎭國守國神社

車通りの多い付近の雰囲気と異なり、鎮国守国神社の周りは静かで荘厳な雰囲気があります

そして、鎮国守国神社の隣に桑名城の天守閣跡があります。
元禄14年(1701年)の火災にて城内の大半が焼失し、天守閣も焼失して、以後再建されていません。明治20年(1887年)に天守閣跡に剱型青銅製の「戊辰殉難招魂碑」が建立され、これが現存しています。

桑名城の天守閣跡。中央奥に見える、天に向かって伸びるのが剱型青銅製の「戊辰殉難招魂碑」。

鎮国守国神社の稲荷神社

大砲のあとも残っている。この大砲に関しては、詳細な背景は不明とのこと。

堀と池に囲まれ、マイナスイオンを感じる九華公園

橋の欄干の味がとてもいい感じ

桑名エリアの東海道について詳細に解説された看板が九華公園管理棟の前にある。江戸に戻った気分で東海道を歩くツアーも良さそう。

本多忠勝像から九華公園にかけては、江戸時代を感じる歴史的なスポットですね。じっくりと歴史に浸るのにちょうどいいです。

⑤はまぐりプラザでお食事

さて、このタイミングでお腹が空いてきているようでしたら、ぜひはまぐり料理を食べに行きましょう。
九華公園を出て、自転車で10分〜15分くらいかかりますが、桑名の名物であるはまぐりをしっかりと学びながら味わうにははまぐりプラザへ向かうのが良いです。揖斐川沿いに眺望が開けた道を走るも良し、少し街中を抜けるのも良し、です。

揖斐川沿いを走るのも気持ちいい。海かと思うほど大きな木曽三川(揖斐川、長良川、木曽川)を体感するのも桑名トリップの醍醐味。

揖斐川に沿ってはまぐりプラザが現れます。

はまぐりの資料館と、はまぐりを使った食事が出る食堂「はまかぜ」がある施設になります。

大きく「はまぐりプラザ」と書かれた施設がある。手前の大きなガラスがある建物が食堂「はまかぜ」

はまぐり料理を食べてみてください。アルミホイルに包まれたはまぐりを、コンロで目の前で焼いてくれます。

大きすぎるはまぐり!!桑名の名産です。

焼はまぐり定食2,700円(要予約)、赤須賀定食(2,200円)、はまぐり丼(1,500円)など ※価格は2024年1 月時点

はまぐりグッズの販売もあります

資料館の方に移動すると、桑名におけるはまぐり漁の歴史が学べます

はまぐりを採取する道具の説明

明治時代のはまぐり漁を解説した書物の展示

はまぐり漁を行っていた船の模型

はまぐりプラザ周辺の街並みもいい感じ。漁村感があります。

はまぐりプラザの対面にあるお店、貝増(かいます)さん 新鮮な貝や志ぐれ煮が買えます

新鮮な貝を目の前にして、観光の方に対して「貝、何kgいれましょかー」とお店の方がお話されていました

揖斐川の港に駐車・駐輪します 停泊している船を眺めてボーっとするのも良い

コース前半はここまでっ

以上が前編です。ここまででも歴史文化と食事が色々楽しめますね。
この先は、後編記事をお楽しみに!

レンタサイクルを活用して駅から各施設を回ることで、時間を節約しながらも街並みや風情、川沿いの空気などを感じて楽しみながら移動ができます。自動車や歩きでは得られない、新しい楽しみ方が出来ますよ。

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