損保ジャパン、法令順守が欠如 顧客視点「うわべだけ」

損害保険ジャパンとビッグモーターの看板

 中古車販売大手ビッグモーター(BM、東京)による自動車保険の保険金不正請求問題を巡り、SOMPOホールディングスは16日、外部弁護士による調査の最終報告書を発表した。報告書は、傘下の損害保険ジャパンが不正を認識しながらBMとの取引を続け、コンプライアンス(法令順守)体制は機能不全に陥っていたと指摘。SOMPOも意識が欠如して受け身に終始し、経営理念に掲げる顧客視点は「うわべだけ」と結論づけた。

 金融庁は今月下旬、損保ジャパンに保険業法に基づく業務改善命令を出す方針。SOMPOにも改善命令が出る見通しだ。SOMPOの桜田謙悟会長兼グループ最高経営責任者(CEO)は第一線を退く方向で、責任の取り方が焦点となる。

 報告書によると、コンプライアンス体制が機能しなかった背景として、損保ジャパンでは各部署の役割が体系的に整理されておらず、責任の所在が曖昧だったと分析。不祥事を扱う法務・コンプライアンス部はBM問題を保険金支払い部門の管轄だとして、自ら主導して対処すべき事案だと認識していなかったと問題視した。

© 一般社団法人共同通信社