小中学校4校、公文書誤廃棄か 兵庫・三木 永年保存の卒業証書台帳など

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 兵庫県三木市教育委員会は16日、市内4小中学校で、保存期限内の指導要録や永年保存となっている卒業証書台帳などがなくなったと発表した。いずれも誤廃棄の可能性が高く、情報流出は確認されていないという。

 市教委によると、なくなったのは、緑が丘小の2010年度卒業生の指導要録65人分▽別所中の09年度卒業生の指導要録の一部30人分▽旧志染中(20年度閉校)の18~20年度の修業証書台帳62人分と、除籍簿3人分▽旧中吉川小(20年度閉校)の昭和以前の卒業証書台帳(件数不明)。

 昨年12月、市立学校1校で、転出した児童生徒の指導要録を保管する除籍簿がなくなった可能性が浮上。後に発見されたが、市教委は市立全学校に調査を指示し、旧中吉川小を除く3校での紛失が分かった。

 一方、旧中吉川小の卒業証書台帳は20年度末、閉校準備を進める中で紛失が判明していたという。未公表だったことについて、市教委は「復元作業を優先していた」と陳謝している。

 市教委によると、学校の公文書の保存年数は「三木市立学校等文書取扱要綱」などで定めている。指導要録は在学する児童生徒についての記録で、保存期限20年の「学籍」と同5年の「指導」があり、緑が丘小と別所中では学籍が失われた。要録は卒業証明書の発行などに用いられるが、永年保存している卒業証書台帳で対応できるという。

 また、旧志染中の除籍簿などは、緑が丘中との学校統合の際に誤廃棄した可能性が高いとみられる。

 市教委は再発防止に向け、重要公文書について毎年管理状況を確認する▽学校統合の際のチェック体制強化-といった指導を徹底するとしている。(長沢伸一)

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