【袴田事件】今年最初の再審公判 弁護団5点の衣類を示し改めてねつ造だと主張

今年最初の審理が行われました。旧清水市で起きたいわゆる袴田事件の再審公判で、弁護団は5点の衣類を示し改めてねつ造だと強調しました。

袴田巌さん(87)は1966年旧清水市で、みそ会社専務一家4人を殺害したなどとして、死刑が確定しています。

16日朝静岡地裁で今年最初の審理を迎えるのを前に、
袴田さんの姉ひで子さん(90)が取材に応じました。

Q今年初めての裁判になるが気持ちは。

ひで子さん:
「気持ちは12月から続いているから、別にあまり変わりない。裁判が終わるまではね。5月22日に終わるっていうのでやっぱりうれしい。ほっとする」

Qきょうから西嶋さんがいない裁判になるが

「本当に長い間ご苦労さまでしたということと、長い間本当にありがとう。でも巌の無罪の判決を聞けないのは残念」

11時開廷

和田佳代子記者
「午前10時半前です。袴田巌さんの姉ひで子さんと弁護団らが静岡地裁に入ります。弁護団長を務めていた西嶋勝彦さんの姿はありません」

ひで子さんは7日に82歳で亡くなった西嶋勝彦弁護団長の遺影を持って静岡地裁に向かいました。

公判は11時に開廷し、弁護側が犯行着衣とされる5点の衣類のうちスポーツシャツと鉄紺色ズボンを廷内で示しました。

能地優アナウンサー
「検察側は袴田さんが犯行によって右腕に1・5センチ程の傷を負ったと主張しています。ただ法廷で示された
5点の衣類のひとつであるねずみ色のスポーツシャツの
右腕部分には、裁判長が近くで凝視しなければ分からないほどのごく小さな穴しか空いていませんでした。ひで子さんも衣類の横に立ちシャツに顔を近づけて穴を確認していました」

弁護側は衣類にできた損傷は捜査機関が袴田さんのけがや供述に合わせて作ったものだと主張しました。

また5点の衣類が入っていた麻袋と鑑定のために76日間みそにつけられた麻袋を示し、色を比較しました。

76日間しかみそにつかっていない麻袋のほうが、1年2カ月みそにつかったとされる麻袋と比べて黒くなっているとして、5点の衣類はねつ造証拠だと、改めて強調しました。

弁護団会見

ひで子さん:
「私が知らなっかたこと、そういうことも全部掘り下げて反論してもらいました。これは絶対勝ちます」

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