ごみ置き場は“危険な県道”沿い 親子2人死亡ひき逃げ事件か 10年前にも小学生が巻き込まれる死亡事故 なぜこの場所に?=静岡

静岡県沼津市の県道で1月15日、近所に住む親子がごみ当番の作業中に車にはねられ死亡したとみられる事件。この県道では10年前にも小学生が巻き込まれる死亡事故が起きていました。

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亡くなった男性会社員(33)。近くに住む人の話では、男性も死亡した母親(59)も、明るく、真面目でした。15日は早朝から当番として、ごみ置き場にネットを掛けるために親子で現場を訪れたところ、車にはねられたとみられています。

<近くに住む人>
「明るい人ですよ。ちょうど還暦で、可哀そうに」
Q.息子さんは?
「息子も、ときたま冗談言うし、会えば。なんら不思議はない家庭ですよ。2人で(ごみ当番に)行くのをよく見かけたんですよ」

<中西結香記者>
「親子が倒れているのが見つかったのと同じ時間帯です。現場では、警察が検問を行っています」

2人が倒れていた時間帯、現場の道路は真っ暗でした。15日午前5時半頃、沼津市松長の県道で男性会社員(33)と母親(59)が意識不明の状態で倒れているのが見つかり、その後、2人の死亡が確認されました。

<警察官>
「ここから行って、事故現場がもうちょっと先なので」

警察は、ひき逃げ事件とみて現場付近で検問を行い、目撃情報やドライブレコーダーの映像を集めました。

<検問を受けた人>
「ドラレコの映像を見せてくれって」
Q.きのうは何時にこの道を通った?
「5時半ごろかな。全然そんな気配なかったね」

15日は、燃えるごみの日。ごみ当番として親子2人でごみ置き場のネットを設置するためなどに現場を訪れていたとみられています。

<中西結香記者>
「ごみの集積場所は、こちらに設置されていましたが、壁から白線まで80センチほどで、人がすれ違うのが困難なほど狭いです」

片側一車線のこの県道。実は、10年前にも悲惨な事故が起きていました。

<中西結香記者>
「親子がはねられたとみられる現場から500メートルほどの場所です。横断歩道だったこの場所で、登校中の児童がはねられ、死亡する事故がありました」

2014年4月、沼津市松長の県道で登校中の児童2人が軽乗用車にはねられ、小学5年生の児童1人が死亡しました。この事故は、中学教諭が強い眠気を覚えながらも車を運転した過失が主な原因でしたが、またしてもこの県道で事故が起きてしまいました。

なぜ、この決して広くない県道沿いがごみ置き場になっていたのか?

<近くに住む人>
「隣の土地が譲渡されたので(ごみ置き場が)こっちに移った。災害の訓練があったときも、交通だけは気をつけてくださいということで。交通量が多いですから。ここ。皆さんには言ったんですけど、恐れていたことが現実になってしまって」

<近くに住む人>
「これ(小屋を)作る場所がないから。うちらはこうやって小屋を建ててるけど、今沢から向こうはほとんど全部(ごみ置き場は)道路側だもの。だから危ねえさ。朝は早い人がみんな通るでしょ車。狭いじゃん」

沼津市に尋ねるとー

<沼津市生活環境部 クリーンセンター収集課 森剛彦課長>
「住宅街の中には狭い道路が多くて、収集車両が入っていく、回転して出ていく場所がどうしても設けられないという現実的な問題があり、このような県道沿いにごみ置き場を設置している」

警察は、ひき逃げ事件とみて捜査していて、目撃情報などの提供を呼びかけています。(沼津警察署 電話055―952―0110)

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