日本代表、アジアカップ初戦で評価を下げてしまった4名の選手

アジアカップの初戦、ベトナムに4-2の逆転勝利を収めた日本代表。

セットプレーでの2失点にも動じない強さを見せた一方で、“初戦の難しさ”からか精彩を欠いた選手たちもいた。

今回はベトナム戦で評価を下げてしまった4名の日本代表を紹介する。

細谷真大

昨年11月のワールドカップ予選シリア戦でA代表初ゴール。1月1日のタイ戦で初のフル出場を達成した22歳にとって、ベトナム戦はほろ苦い試合となった。

ハイラインの5-4-1を敷いてきた相手に対し、裏への飛び出しや積極的なプレッシングで圧力をかけようとしたが、動きが直線的かつ単調でハマらない場面が散見。結局前半での交代を余儀なくされた。

後半から出場した上田綺世と比べても細谷の足りない点は明らか。普段プレーしている環境が影響していることも考えられる。

スピードはもちろん馬力やポストプレーなど個人として持っている武器は多いだけに、チームへの貢献の質をいかに上げられるか。アジアカップはそれを学ぶ貴重な機会となるはずだ。

伊東純也

30歳になっても衰え知らずのスピードスターだが、ベトナム戦は珍しく精彩を欠く試合となった。

プレーを見ていると、アジアカップで使用されているKelme製のボールへのアジャストに苦労している印象。ボールに意識が行くためか視野が狭くなり無理な仕掛けも目立った。

とはいえ、オフザボールでの多大な貢献はいつも通り。堂安律が入った63分以降はクラブでも任されることのある左サイドでプレーしている。

南野拓実と久保建英の好調ぶり、そして負傷明けの三笘薫が全体トレーニングに合流したばかりということを考えると、今後を見据えた森保一監督の采配だったのかもしれない。

菅原由勢

第2次森保体制がスタートした昨年3月からあっという間に右サイドバックのレギュラーに定着した菅原由勢。彼もまたベトナム戦はゲームにフィットしなかった。

相手の5-4-1のシステムにより1人で2人を見る時間が多かったとはいえ、対応で後手を踏み、かつ球際でも競り負けるシーンが目立った。

とくに32分にイエローカードを受けた場面は、谷口彰悟の的確な判断がなければDOGSOで退場になっていたはず。また直後の逆転弾も自身が付くべき大外の選手に易々と合わせられている。

攻撃面でも入っていくスペースを見つけることに苦労し、ここ一年の日本代表では珍しく右サイドが機能性を欠いた。2戦目を以降の巻き返しに期待したい。

鈴木彩艶

国際Aマッチ5試合目の出場で初失点を喫した鈴木彩艶。

16分の同点弾と33分の逆転弾。いずれもセットプレーだったが、経験不足をのぞかせる失点であったことは事実だろう。とくに2失点目は大外で相手が競り勝つ形への予測がやや甘く、結果折り返しのボールを的確に弾き出すことができなかった。

ただ21歳という年齢。プロで正GKとしてプレーし始めたのが昨年夏に移籍したシント=トロイデンからということを考えれば、悔しさを糧にする時間は十分すぎるほどある。

日本代表、アジアカップ初戦で評価を上げた4名の選手

前回の日本が優勝した2011年のアジアカップでも、レギュラーに定着したばかりの吉田麻也はまだまだ不安定だった。しかしその後の彼を考えれば…鈴木の成長過程がここで見られることは幸福かもしれない。

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