「セマンティックエラー・ザ・ムービー」榎木淳弥&増田俊樹 インタビュー

榎木「実写の映像の声に似せるというよりは、俳優さんの表情に合わせて、違和感がないように演じました」

増田「演じるサンウの役柄をつかむために、台本を1話ずつ読み込みながら人物像を掘り下げていきました」

韓国をはじめアジア中で大旋風を巻き起こした青春BL「セマンティックエラー」の劇場版「セマンティックエラー・ザ・ムービー(前編・後編)」で、日本語吹き替えを担当した榎木淳弥と増田俊樹。完璧だった毎日に“エラー”のような相手が現れたことから始まるラブストーリーで、それぞれが「普段とは違うキャラクターを演じた」という榎木と増田に、役柄へのアプローチや、お互いの演技、作品の魅力などについて聞いた。

――本作のオファーを受けた際の心境はいかがでしたか?

榎木 「海外でも人気の作品と聞いて、関われてうれしいなと思いました。今回、僕が演じたのはジェヨンという役なのですが、普段、僕が演じることの多いタイプは、増田くんが演じている小柄なサンウのような役なんです。なぜジェヨンに抜擢されたんだろうと、意外に思ったことが印象に残っています」

増田 「これまでアニメーションやドラマCDなどでボーイズラブ作品に関わらせていただく機会はあったのですが、実写の吹き替えを担当させていただくのは今回が初めてでした。実写のボーイズラブ作品が増えていることは知っていましたが、僕自身は今回お話をいただいて初めて拝見したので、新鮮な気持ちで参加しました」

――榎木さんは、学校イチのカリスマでイケメンのモテ男・ジェヨン、増田さんは、学科イチの秀才かつ変わり者で、ジェヨンからのアプローチに戸惑うサンウ役を演じていらっしゃいます。それぞれの役柄を演じる上で、どのような部分を意識されましたか?

榎木 「ジェヨンは、自分のことを天才だと思っているキャラクターなので、そういった部分をどのように表現しようかと考えました。それと、やっぱり身体が大きいと声に厚みが出ますよね。僕が小柄なので、その厚みのある声を自分の体から出さなければならないのが難しかったですね。単に低い声というわけでもなく、体から倍音のような声を響かせる必要があったので。劇中ではコミカルなシーンも多くて、漫画に近い感覚を受けました。だから演じるときも、リアリティーに重きを置くよりも、キャラクターが分かりやすい方がいいのかなと思って、抑揚をつけるなど、セリフが平坦にならないように意識しました。実写の映像の声に似せるというよりは、実写の俳優さんの表情に合わせて、違和感がないように演じました」

増田 「ジェヨンもサンウも、どちらも演じてみたいと思うぐらい魅力的なキャラクターですが、僕自身これまで、自らアクションを起こすジェヨンのような役柄を演じることが多かったように思います。今回サンウの役柄をつかむために、台本を1話ずつ読み込みながら人物像を掘り下げていきました。台本を読んで、サンウはコミュニケーション能力が高いわけではなく、自分の思っていることをうまく伝えられない人。相手の思っていることをくみ取るのも苦手なのかなと思っていましたが、収録現場では、サンウが誰かに対して感謝するときの気持ちをしっかり伝えてほしいというアドバイスをいただいて。僕が思ったサンウ像とは違う部分もあるのだな、僕もまだまだサンウというキャラクターについて理解しきれていない部分があるなと、現場で言われたことを受けて、少しずつ修正して演じていきました」

――ご自身が演じた役柄に共感できる部分があれば教えてください。

榎木 「好きな人にいじわるしちゃう感覚は、小学生のときにはあったかもしれません。大人になってからは、そんなことをすると嫌われちゃうかもしれないのでやりませんが…(笑)。そこがこのドラマの面白いところでもありますよね。それから、共感とはズレますが、物語の最後に出てくる“俺と恋愛しよう”というジェヨンのセリフが好きでした。そこまでは“お試し”の関係性だったのが、サンウがジェヨンの気持ちを受け入れて気持ちが逆転するんです。このような展開を予測されていた方もいらっしゃるかもしれませんが、その通りの展開が来るのが気持ちよかったです。そのときのセリフも、よくある“好きだ”というよりも“恋愛しよう”というのが、意外性があって印象に残っています」

増田 「サンウの行動原理はけっこう理解できます。特に、時計をよく見るところは僕と似ているなと思っていて。プライベートではあまり気にしないのですが、仕事のときは時計をよく見るんです。例えば、何分前にあそこについていれば確実に予定に間に合うなというようなことを逆算して考えたり。そうすれば相手に迷惑をかけないし、僕自身も嫌な気持ちにならなくていいなって。それ以外だと、サンウって物をきちっと並べていますよね。そういうところも似ています」

――では、サンウの魅力は、どんな部分にあると思われますか?

増田 「サンウの魅力は作中でジェヨンが見つけていますし、作品を見てくださった方がそれぞれでいいなと思う部分を見つけてほしいので、あえてここでは明言しないようにします。ただ、サンウは自分に自信があって一貫性がある人なので、そういう人物を演じられるのはうれしかったです。前半については…ですが。ジェヨンとのエラーのような出会いによって、その一貫性がいい意味で崩れてしまうので…」

――お互いの演技について、何か感じられたことはありますか?

榎木 「増田くんは、役によって多少地声を変える部分はあるとは思いますが、基本的には自分の声質でやられている方。その作っていない実在感がすごく良くて。作った声だと、掛け合いの時にどうしても気になってしまうときがあるのですが、それがない方なので、サンウとの掛け合いの場面では、僕も入り込みやすくて助けられましたね」

増田 「僕は榎木さんやジェヨン側のチームの皆さんが、大学生特有のにぎやかな雰囲気をしっかり表現してくださったことで、サンウのキャラクターが際立ったなと感じています。サンウはほぼ一人で日常生活を送っていて、コミュニティーもない。そんなサンウの前に、学生としてモラトリアムの中で生きている、責任を追わず、曖昧な時期を過ごしているジェヨンたちがチームとなって押し寄せてくると、サンウが戸惑うのも分かりますし、彼が一人だということがより際立つなと思っていました」

――最後に、作品を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。

榎木 「ラブラブ感がまったくなかった序盤から、後半に向けて、自分のサンウへの気持ちに気づいた時に見せる真っすぐな愛情表現など、ジェヨンの変化も大きな見どころ。真逆の2人が混じり合っていく描写が胸を打つと思います。2人ともちょっと変わったところがあるけれど、そんな彼らがどう近づいていくのかに注目していただけたらと思います」

増田 「この作品は、ボーイズラブ作品であり、ものすごく純粋なボーイミーツボーイの作品になっています。また、さまざまな学生たちが登場する青春群像劇でもあります。人生において、大切な人と出会い、それによって気持ちが動いていく様子が繊細に描かれています。ぜひ一度見ていただけるとうれしいです」

【プロフィール】

榎木淳弥(Junya Enoki)

10月19日、東京生まれ。A型。近年の主な出演作は「呪術廻戦」、「め組の大吾 救国のオレンジ」、「カノジョも彼女」、「東京リベンジャーズ」、映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」など。出演する「2.5次元の誘惑(リリサ)」は24年放送予定

増田俊樹(Toshiki Masuda)

3月8日、広島生まれ。B型。近年の主な出演作は「僕のヒーローアカデミア」、「マッシュル-MASHLE-」、「劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD」ほか。出演する「HIGH CARD season2」(TOKYO MXほか)が放送中。

【作品情報】

セマンティックエラー・ザ・ムービー 後編
1月26日公開 ※前編は公開中

社会現象を巻き起こした韓国BLの劇場版が、前編・後編の2部構成で日本に上陸。校内イチのモテ男ジェヨン(声・榎木淳弥)と秀才で完璧主義者の大学生サンウ(声・増田俊樹)という、全てが正反対な2人の予測不能な恋を描く。

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Photo=トヨダリョウ Interview=斉藤和美 Hair&Make= fringe[榎木]、北原由梨[増田]
Styling=高山良昭[榎木]、 MASAYA(PLY) [増田] 衣装協力=tactor、LONDON BROWN[増田]

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