和紙原料の繊維採取 栽培から収穫 コウゾ皮むき体験 茨城・常陸大宮 山方小

コウゾの皮むきに挑戦する常陸大宮市立山方小の児童=常陸大宮市山方

茨城県常陸大宮市山方の市立山方小(大沢恵子校長)の児童が16日、地元の伝統和紙「西の内紙」の生産過程を学ぶ特別授業に臨み、和紙の原料となる植物「コウゾ」の木の皮むきや繊維を取り出す作業などを体験した。同校は2023年度、校庭でコウゾを栽培している。

同校では23年5月、児童が校庭に苗を植え、地元の「本西の内紙保存会」の菊池三千春会長の指導を受けながら、良質の木の生育を促す「芽かき」も行った。

この日は4~6年生49人が参加。児童の代表が大きなはさみやのこぎりを使ってコウゾを伐採し、全員で皮むきに取り組んだ。釜で約2時間蒸して柔らかくした後、児童はコウゾの皮をむき、専用の刃物を使って繊維を取り出す作業を体験した。

作業には保存会のほか、和紙づくりの特別授業を企画したNPO法人「トモニトウ」(金子容子代表)のメンバーも協力した。

4年の中島靖智君は「皮がきれいにむけた。どうやって紙になるのか知りたかったので、体験できて良く分かった」と笑顔を見せた。6年の菊池美結さんは「貴重な体験ができて楽しかった。堅い木から紙になるまでの過程に驚いた」と語った。

西の内紙の歴史を伝えた菊池会長は「昔はどこの農家でも作っていた伝統文化を知ってほしかった」と話した。児童は19日に紙すきを体験し、和紙を作る最終工程に入る。

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