石川県は16日、能登半島地震による断水が続く県水道用水(県水)について、七尾市の中心部から能登島までの地域は復旧までに2カ月以上かかるとの見通しを示した。送水管の損傷が激しく、長期化が避けられないとみられる。馳浩知事は同日の県災害対策本部の会合後、記者団に「春、あるいはゴールデンウイーク前までちょっと我慢して2次避難所に(いてほしい)」と述べ、被災者に理解を求めた。
能登方面への県水は鶴来浄水場(白山市)から北上するように七尾市能登島まで送水管が敷設されている。1日の揺れで金沢以北が断水、その後、中能登町まで復旧した。中能登からの送水管は4カ所で修繕が終わっていないという。
断水は約5万2210戸で続き、七尾、輪島、志賀、能登、珠洲、穴水の6市町はほぼ全域で水が出ない。停電は輪島、珠洲両市を中心に約8100戸。
馳氏は春ごろまでに応急仮設住宅の整備を目指す意向も表明。「全員が入れない可能性も否定しない」とも言及した。
●7地区の孤立解消
道路寸断などによる孤立集落は珠洲と輪島の計7地区で解消した。珠洲では157人がいた大谷のほか、清水、片岩、長橋、輪島は鴻巣、浦上、七浦で行き来できるようになった。
珠洲、輪島、能登の3市町は16日の対策本部の会合で、残る8地区も近く解消するとの見通しを示した。