阪神・淡路大震災から29年、亡き人へ祈り「ともに 1.17」 6434人が犠牲、5時46分に黙とう

ろうそくの火で浮かび上がった「1995 ともに 1.17」=17日午前5時46分、神戸市中央区加納町6、東遊園地(撮影・中西大二)

 6434人が亡くなり、3人が行方不明となった阪神・淡路大震災は17日、発生から29年となる朝を迎えた。追悼施設のある神戸市中央区の東遊園地には多くの人が訪れ、地震発生時刻の午前5時46分に合わせて黙とうをささげ、亡き人に思いを寄せた。

 追悼行事「1.17のつどい」が行われた東遊園地では、「1995 ともに 1.17」の文字をかたどった灯籠に火が入れられ、浮かび上がった。元日の能登半島地震を受け、「一人ではない」「共に助け合おう」との思いが込められた。

 この日の来場者は、新型コロナウイルス感染拡大前とほぼ同じ約5万人が見込まれている。

 このほか、各地の公園などでも住民らが追悼行事を行い、午前5時46分に黙とうした。神戸市中央区のHAT神戸では、兵庫県などが午前11時45分から追悼行事を開催。周辺では震災の痕跡や復興の歩みをたどる「1.17ひょうごメモリアルウォーク」がある。

 「市民による追悼行事を考える会」(神戸市)によると、今年の追悼行事は10日時点で44件。震災25年に当たる2020年には60件あったが、コロナ禍以降、減少傾向が続く。県内では全人口の4人に1人が震災後に生まれた世代になっている。(名倉あかり)

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