映画「港に灯がともる」阪神・淡路30年で公開へ 朝ドラ「ブギウギ」女優が主演、出自と記憶の葛藤描く

震災30年の節目に公開予定の映画「港に灯がともる」の監督、安達もじりさん(左)とヒロインの富田望生さん=神戸市灘区

 阪神・淡路大震災の年に生まれた女性とその家族の葛藤と成長を描く映画「港に灯がともる」の制作が決まり、ヒロインと監督が発表された。

 震災の1カ月後に生まれた在日韓国人3世の女性が主人公。自身の出自と親から聞かされる震災の記憶の板挟みになり、双極性障害を発症、コロナ禍を経て回復を目指す中で希望を見い出していく。

 主演の灯(あかり)役は、現在、放映中のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」で、ヒロイン・スズ子の付き人・小夜を演じる富田望生(みう)さん。監督は2021年度放映の同テレビ小説「カムカムエヴリバディ」や被災者の心のケアに奔走した精神科医、安克昌さんの奮闘を描いた映画「心の傷を癒すということ」(2021年)で演出を務めた安達もじりさん。

 今年3、4月、神戸市長田区ほか市内各所で撮影を行い、震災から30年となる2025年1月の公開を目指す。

 「人が人として生きるとは何か。根源的な問いを前に、日々、悩みながら準備している」と安達さん。富田さんは「この身をもって、丁寧に紡いでいきたい」と抱負を語っている。 (片岡達美)

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