原発再稼働巡り舌戦 茨城・東海村議選告示 候補者訴え

東海村議選立候補者の訴えを聞く支持者ら=同村内(画像の一部を加工しています)

21日投開票の茨城県東海村議選(定数18)が16日告示され、5日間の選挙戦が始まった。主な争点は日本原子力発電(原電)東海第2原発の再稼働の是非。賛成派、反対派の各候補者たちは届け出後、村内を遊説し、街頭でそれぞれの考えを有権者に訴えた。

東海第2を巡っては2023年12月、村議会が早期再稼働を求める請願を賛成多数で採択した。

賛成した最大会派「新政とうかい」の現職候補は、選挙戦でも再稼働推進を主張する。

「脱炭素社会の実現に資する」と訴える再稼働賛成派の現職候補は「エネルギーを安定的に供給する役割を担うため、今後も活用する方向性は正しい」と強調した。

原子力事業所出身の現職候補は、東海第2が国の安全審査に合格していることを挙げた上で「村民と対話しながら不安に応え、理解を得て再稼働したい」と語った。

一方、反対派候補は、請願採択に加え、村が原発事故に備えた広域避難計画を公表したことで、再稼働の動きが加速しかねないと危機感を募らせる。

地震と津波、原発事故の複合災害に対応できていないと同計画を批判する反対派候補は「避難できない人が出る」と訴え、問題点を追及する姿勢を示した。

別の反対派候補は、能登半島地震や東京電力福島第1原発事故を挙げ「原発とは共存できない」。再生可能エネルギーの普及で「原発ゼロを目指す」と声を張り上げた。

村議選には定数を2人上回る20人が立候補。投票は21日午前7時から午後6時まで村内14カ所で行われ、同7時から同村船場の村総合体育館で開票される。

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