沖縄県内のダム貯水率58.8% 平年値20.5ポイント下回る 渇水協、県民に節水呼びかけ

県内最大ダムの福地ダム。15日の貯水率は59%と低く、地層の赤土が見える(沖縄総合事務局提供)

 沖縄県内11ダムの貯水率が16日午前0時現在で58.8%と、平年値を20.5ポイント下回っている。沖縄渇水対策連絡協議会(渇水協、会長・河南正幸沖縄総合事務局次長)は同日、那覇市内で臨時会を開き、県民に節水への協力を呼びかけた。節水呼びかけは2018年6月以来、約5年半ぶり。(政経部・東江郁香)

 渇水協は直ちに給水制限を実施する状況ではないとしつつ、降水量が増える梅雨入りまで水道の安定供給ができるよう取り組む必要があると指摘。水道の使用量を抑えてダム貯水率の低下速度を遅くするため、水の流しっ放しをやめ、洗濯物をまとめ洗いしたりトイレの大小レバーを使い分けたりするよう求めている。

 河南会長は「水道はなくてはならないもの。雨に恵まれることを願いつつ、リスクへ万全に備えなければならない」と節水の必要性を強調した。

 県内では、昨年9月以降の少雨傾向でダム貯水率が低下している。渇水協は今後も水位の低下が続き、14年4月以降で過去最低の44.3%を更新する場合などに再び会合を開いて対策を協議する見通し。

 県企業局は、さらなる渇水状況の悪化に備え、有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)対策で取水を停止している本島中部の河川からの取水再開も視野に準備を進めているという。

 給水制限は約30年前の1994年3月を最後に行われていない。

 沖縄気象台の予報では、1月13日から向こう1カ月で平年より降水量が少ない確率は50%となっている。2、3月の降水量は平年並みか多い見込み。

県内11ダムの貯水率

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