県内大雪~冷え込み、冬が本格化 早朝から除雪作業に汗

山形市内で雪かきを急ぐ人と、圧雪路面で除雪車両とともに速度を落として走る車=16日午前8時25分、同市寿町

 本格的な冬が到来した。強い寒気の影響で、県内では16日、内陸を中心に大雪となった。沿岸部では風も強く、庄内地域では地吹雪となった。空路を含め交通機関が影響を受け、スリップ事故も相次いだ。冷え込みも厳しい中、早朝から除雪作業に精を出す人の姿が見られた。

 山形市では市街地でもまとまった積雪となり、日中も市内各地で除雪が行われていた。同市小白川町4丁目、自営業蜂屋精一さん(63)は、昼過ぎにスノーダンプとスコップを使い分けながら雪を道路脇に寄せていた。蜂屋さんは「朝6時に起きて雪かきをしたが、また除雪をしないといけない。こんなに降るのは久しぶり」と額に汗を浮かべていた。

 17日の県内は高気圧に覆われ、各地で気温が上がる見込みで、屋根からの落雪や雪崩などに注意が必要となる。

スリップ事故、今季最多

 本格的な積雪で、県内では16日朝にかけてスリップ事故が相次ぎ、24時間あたりの発生件数は今季最多となった。17日以降は比較的気温が高くなる見通しだが、県警は引き続き、スリップ事故に注意し、慎重な冬道運転をするよう呼びかけている。

 県警交通企画課によると、16日午前8時半までの24時間で85件に上った。特に冷え込みが厳しく、雪が降りだした15日夕から16日朝までに67件発生した。

 同課は圧雪路面ではなくても、凍結融解を繰り返し、黒くぬれた路面に見える「ブラックアイスバーン」でのスリップ事故も懸念されると指摘。特に橋の上や交差点などは注意が必要で、同課の担当者は「今後も油断は禁物」と訴えている。

酒田、遊佐で地吹雪

 酒田市や遊佐町では、雪とともに横風が強く吹きつけた。時折、地吹雪となる中、日中でも多くの車がライトを付けて走行していた。

 山形地方気象台によると、16日午後5時までの最大瞬間風速(記録時刻)は酒田市飛島27.5メートル(午後0時46分)、酒田22.4メートル(同18分)などと、雪とともに風が強い一日だった。車で遊佐町内のスーパーに買い物で来ていた、同町吹浦、無職高橋菜桜さん(26)は「この冬は雪が少なく、地吹雪の中の運転は久しぶり。いつもより慎重になった」と話した。

山形空港発着の定期便、欠航や遅れ

 山形空港発着の日本航空とフジドリームエアラインズ(FDA)の定期便は16日、雪のため欠航や遅れが相次ぎ、計268人に影響が出た。

 FDAは、同じ機体で運航した札幌発山形行き603便(午前11時25分発)、山形発名古屋行き384便(午後0時10分発)、名古屋発山形行き385便(同3時10分発)と折り返しの386便(同4時50分発)が、それぞれ1時間11分~2時間32分遅れた。山形発札幌行き602便(同1時15分発)は、新千歳空港の降雪で欠航した。

 羽田発山形行き175便(午前7時15分発)が、山形空港の降雪のため1時間17分遅れで到着した。同じ機体を使用する山形発伊丹行き2234便(同8時50分発)も1時間32分遅れで出発した。

JR、いなほなど運休

 JR羽越本線は16日、強風のためダイヤが乱れた。JR東日本山形支店によると、本県関係では特急いなほ上り1本が運休し、上下4本が酒田―秋田間で区間運休した。普通列車は上下6本が吹浦―羽後本荘(秋田県由利本荘市)間などで区間運休し、計約910人に影響した。

強い吹雪で視界不良となり、ライトをつけて走行する車=16日午後0時38分、遊佐町小原田

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