日本代表とアジアカップで戦うイラク!遠藤航を泣かせた“元ロベカル”と名門ユナイテッド育ちの“ジダン”がいる

日本代表は19日にアジアカップのグループステージ第2節でイラクと対戦する。

今大会のイラク代表は国内生まれの選手たちと国外生まれの選手たちがミックスされている。ここでは注目の選手を取り上げてみよう。

11番:ジダン・イクバル

ユトレヒト所属、2003年生まれの20歳。

パキスタン人の父とイラク人の母のもとマンチェスターに生まれた選手。9歳から名門マンチェスター・ユナイテッドのアカデミーで育成され、17歳でプロ契約を結んだ。マンチェスター・シティやリヴァプールも狙っていたというが、練習場が自宅から3キロほどの近距離にあったユナイテッドを選んだそう。

幼い頃はフットサルでも技術とセンスを磨いたそうで、父親は「息子の本質はフットサルだったと思う」と話している。フットサルでの経験もあって中盤ならほぼどこでもプレーできるというが、6歳頃に所属した最初のチームではGKだったとか。

本人によれば「(見ている選手は)メスト・エジル。同じムスリムだから」とのこと。ジダンという名前は、あのジネディーヌ・ジダンからとったものではなく、アラビア語で「増える」という意味を持つために名づけられたそう。

イングランド代表でプレーする資格もあったが、イラクを選び、2022年1月にフル代表デビューを果たしている。イラク代表監督だったディック・アドフォカート氏が代表入りを説得した。

本人は「自分のキャリアにとって正しい決断だったと思います。イラクを代表することは大変光栄です。家族は私を誇りに思ってくれていますし、W杯予選に出場することはキャリアにおいて前進となると信じています」と語っていた。

ユナイテッドのトップチームにデビューし、クラブ史上初のイギリス系南アジア人選手にもなったが、2023年夏にユトレヒトに移籍。

オランダ移籍後は怪我で苦しんでいるが、ヘスス・カサス代表監督は期待を寄せており、今大会のメンバー入りを果たした。父親が「愛する我が息子よ、君が成し遂げたことはすべて君にふさわしいことだ。君は勤勉で忠実な若者。イラク代表とともにアジアカップを楽しんできてくれ」と感動的なメッセージを送ったことが現地でも話題になったとか。

代表経験はまだ浅いが、インドネシアとの開幕節では先発から60分プレーした。

6番:アリ・アドナン・カーズム

メス・ラフサンジャーン所属、1993年生まれの30歳。

バグダッド生まれで国内出身者を代表するひとり。弱冠18歳で代表デビューすると92試合に出場してきた重鎮DFだ。

ウディネーゼとアタランタでセリエA通算68試合に出場している。海外移籍によって持ち前の守備力だけでなく攻撃能力も成長し、武器であった左足も強化。

全盛期には正確無比かつ強烈なクロスとフリーキック、アジア屈指のミドルシュートを備え、「アジアのギャレス・ベイル」や「アジアのロベルト・カルロス」との異名で呼ばれた。

彼と日本には因縁がある。

日本は2012年のAFC U-19選手権 準々決勝でイラクに1-2で敗れ、U-20W杯の出場権を逃した。その試合で決勝点を決めたのは、アリ・アドナン。DFとして出場していた遠藤航は敗退後に涙している。

また、日本は2014年アジア大会のグループステージでもイラクに1-3で敗戦。この試合でアリ・アドナンは決勝ゴールとなった強烈なフリーキックを含めて2ゴールと大暴れ。遠藤航はこの試合にMFとして出場していた。

そんなアリ・アドナンは左サイドバックを主戦場にしてきたが、近年の代表ではCBにコンバートされている。カサス監督は、サイドにはよりスピードが必要になるためと説明している。

ちなみに、代表では6番を背負っているが、クラブでは1953年創設のトルコのリゼスポルに所属して以降ずっと53番を着用している。

日本代表、アジアカップ初戦で評価を下げた4名

AFCアジアカップカタール2023
グループステージ第2戦
イラク代表 vs 日本代表
日時:1月19日(金)20時30分キックオフ
ゲスト:小野伸二
解説:林陵平
現地リポート:佐藤寿人
実況:桑原学
配信:DAZNにてライブ配信

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