城田優「僕にとっては大きな挑戦」 初演出を手掛けたスヌーピーコンサート独占インタビュー

俳優で歌手の城田優(38)が12月24日に開催されたオーケストラコンサート『billboard classics × SNOOPY Magical Christmas Night』に出演。同公演はPEANUTSコミック生誕70周年を祝して2020年にスタートしたSNOOPYのオーケストラコンサート。これまで3年連続でゲストボーカルとして出演してきた城田が、今回は初めて演出も手掛けた。entaxでは公演後の城田優に独占インタビューを行った。

今回のコンサートコンセプトは“スヌーピーたちが住む世界で行われる夜の音楽祭”。ステージにはたくさんのオーナメントやプレゼントが飾られた巨大なクリスマスツリーや赤い犬小屋で彩られ、公演タイトル『Magical Christmas Night』の通り、クリスマスイブにぴったりな魔法が広がった演出。さらに開演前まで写真撮影可だったため、観客は持参した“PEANUTS”の好きなキャラクターグッズと撮影する姿が多く見られ、始まる前からワクワクした様子を見せた。

コンサート前に行われた取材会で城田は、本公演初演出について「自分の作りたかった世界観、スヌーピーやその仲間たちが生きている場所に皆さんご招待するというコンセプトの元、本当に素晴らしいスタッフやクリエーターの皆さんのおかげで最高にかわいくてワクワクするショーが出来上がった」と胸を高鳴らせた。演出のこだわりについては「日常を忘れてその世界に没入していただくのが一番のテーマ。今回でいうとオーケストラの皆さんに普段は着ない、今回の世界観に合わせたグリーンの衣装でとお願いして着ていただいた」と演出家としても高く評価されている城田のこだわりを明かした。

好きなPEANUTSのキャラクターを聞かれると「オラフ」と答え、「あ、スヌーピー呼ぶの忘れてた!」とサンタクロースの衣装を着たスヌーピーが登場。オラフに嫉妬したスヌーピーに城田は「ごめんごめん、スヌーピーも大好き。4年連続コンサートで会ってる中、スヌーピーへの愛はめちゃくちゃ深いです。たとえるならば交際相手…全然良くないこのたとえ(笑)」と自らフォローするがうまくいかず、笑いが起こった。

幕が開くと、東京フィルハーモニー交響楽団が『Christmas time is here』などスヌーピーとクリスマスにまつわる名曲メドレーを披露しスヌーピーも登場。スヌーピーが登場した楽曲の中でも、『Let it snow』で城田とスヌーピーがアドリブで雪合戦をするふりをすると、そのかわいさに観客から歓声が上がった。

城田は「クリスマスは冬のイメージがあるけれど、世界には真夏にクリスマスを迎える国もある」とサザンオールスターズ『真夏の果実』をクリスマスアレンジで披露。本公演おなじみの『Just like me』や、さらに「夢に年齢制限はない。人生一度きり、夢は誰がいつみてもいい。コロナ禍で夢や目標が遠くなってしまった人もいる中で、音楽で僕らにできることはないだろうかと」という思いで本公演のために城田とピアニスト・宮本貴奈が作成した、背中を押してくれるような歌詞の入った新曲『夢の種~I’ll be by your side~』を歌い上げた。

さらにゲストボーカルとして歌手の清水美依紗(みいしゃ)を迎え、彼女の曲『Home』や、城田とのデュエット『洋楽クリスマスメドレー』では2人の圧倒的な歌声で観客を魅了し、盛大な拍手が沸き起こった。
トークでは城田の学生時代のクリスマスの甘酸っぱい思い出を告白。緊張していた清水美依紗にはアドリブな話題を投げかけ笑いを誘うなど和やかな雰囲気もあり、城田の人柄が垣間見れた公演となった。
そして、今回で4回目となった『SNOOPYのオーケストラコンサート』はその人気ぶりから早くも2024年の開催が決定、加えて全国ツアーだと発表され大きな拍手が起こった。

◆entaxではコンサートが終わった城田優さんに独占インタビュー

――公演お疲れさまでした。まず、率直なご感想をお聞かせください。

正直、僕は出演者でもあって客観的にはなれないので、なかなか今どうだったかっていうのは自分で評価しづらいんですけど、先ほど関係者の方々とごあいさつさせていただいた時に、玄人だったりだとか、たくさん舞台やミュージカル、コンサートを見ている方々から“本当に今年一番良かったです”という声をいただけて、少なくとも皆さんの心に響く何かができたのかなとは思えています。

――実際に、お客様を目の当たりにされて反応など、公演全体はいかがでしたか?

「空気はすごくアットホームのような、スヌーピーのコンサートというだけあって、そんなにピリピリして見に来てるというより…芝居を見に来ているわけではないから。クリスマスという日に何か楽しく過ごしたいという方たちが集まってくださったと思っていますし、すごく空気は和やかで僕自身もとてもとても楽しかったです」

――今回ゲストボーカルに清水美依紗さんを迎えられて、トーク中は城田さんが優しいお兄さんのような2人の関係性が伝わってきました。共演していかがでしたか?

城田と清水美依紗の関係は、『IMY』という俳優の山崎育三郎、尾上松也、城田優の3人からなるプロジェクトの初オリジナル舞台『あいまい劇場 其の壱「あくと」』に清水美依紗が出演し初共演。この作品が彼女の初舞台となった。本番前の取材会で城田は「その時点で彼女の才能は素晴らしかったですが、また磨きがかかって洗練された歌声が皆さんに届くことがうれしい。素敵な声、心を持った最高のアーティストです」と絶賛。

「実は(美依紗のソロ歌唱『Home』の時に客席の)後ろに回って一番上から見ていたんですけど、もう出てきてすぐ“せか、せか…”って(歌詞の)入口間違えちゃって(笑)緊張してるなというのが目に見えるというか。トーク中もまだ緊張が解けてなくて、なるべく緊張を解いてあげたいなと思って、それこそお兄ちゃん的なポジションでやってました。
とにかく素晴らしい歌声と才能と人柄を持っている人なので、それをぜひみんなにもシェアしたいなという思いでキャスティングしているので、そういうかわいい一面も見れて、僕としては清水美依紗の良い部分を見せられたんじゃないかなって思っています」

――同公演はクリスマスがテーマということで、トーク内でも城田さんの甘酸っぱい思い出を話されていましたが、そのほか、印象的なクリスマスの思い出はありますか?

「久々にあの話をしゃべりました(笑)。ここ4年はクリスマスとなるとこのコンサートだったので、それより前を振り返ると僕の誕生日が12月26日なんですよ。クリスマスのパーティーって大体25日にやるじゃないですか。だから誕生日とクリスマスが一緒になっちゃうのが昔からの性(さが)で。それこそ幼少期は25日が誕生日だと思わされてたんです、親から25日に「ハッピーバースデイトゥーユー」って歌われてたから(笑)だからこそクリスマスは特別な日で、実際に26日が誕生日だと分かった後も、愛着はあります。
明日も友人と食事をするんですけど、「クリスマスだし、優の誕生日だから」ってなっちゃってごめんなさい、クリスマス単体っていう思い出があまりなくて(笑)でもつまりは“ハッピーが2倍”というか、多分皆さんよりも濃い、楽しい、ハッピーな時間を毎年のように過ごさせていただいています」

――プレゼントは2倍にはならないですか?

「なかなかならないですね(笑)クリスマスはクリスマスで本来はあるべきなんですけど…セットにされちゃうから、今でも!切ないですよね~(笑)今でも家族で集まったりするんですけど、僕はみんなにクリスマスプレゼントを買うんですけど、僕がもらうプレゼントは1つですね、毛が生えた感じの。良いですけど、良いんですけどね…やっぱり1日ズレはね、まあ難しいよねって(笑)」

――公演の最後に発表された2024年の全国ツアーですが、すでにお考えになられていることはありますか?

「現時点でまだ決っていないんですけど、公演数が増えるので、今回東京と兵庫でゲストがCrystal Kayさんと清水美依紗さんと代わったように、僕の中では各公演で違うゲストの方が来てくれたら、このツアーを追っかけてくださる方々にとっても新鮮なパフォーマンスが見られますし、僕自身としてもなるべくたくさんの方々のエネルギーやポジティブなパワーをお届けしたいと思っているので、なるべくキャスティングに関しては、頑張って色んな才能あふれる方々に来ていただきたい。女性ももちろんですけど、男性も僕意外にシンガーがいたらもっと盛り上がるんじゃないかなと思っているので、その辺も踏まえて打ち合わせをしていきます」

――2024年挑戦したいこと、または予定されていることはありますか?

「オリジナルで演出家の金谷かほりさんと一緒に共同演出ではありますが、ゼロからプロデュースをする歌とダンスのオリジナル・エンターテインメントショーがあります。曲はありものですが、ディズニーや日本のJ-POPの曲たちを集めて『TOKYO』というショーを5月14日から開催します。初めて海外でシンガポール公演をやるので、僕にとっては大きな挑戦ですし、また物作りをさせていただけることにワクワクしています。僕の中で2024年一番気合いを入れているメインのもの。その半年後くらいにスヌーピーの全国ツアーが始まるので、そのツアーでも活かせるように、『TOKYO』では物作りのヒントやアイデアをたくさん吸収できるよう、2024年は物作りに時間を割いていきたいなと思っています」

「TOKYO〜the city of music and love〜」
城田優プロデュース、金谷かほり、城田優共同演出により、[東京]をイメージして創り出す、歌とダンスのオリジナル・エンターテインメントショー。披露する楽曲はミュージカル、ディズニー、J ポップなど、様々な⾳楽が融合。城⽥優と共に創り上げるシンガー、ダンサーは城⽥優⾃らがオファーし、個性豊かで実⼒派揃いのキャスト陣を迎える。
【東京公演】2024年5月14日(火)~19日(日) 東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ11F)
【海外公演】2024年6月22日(土) シンガポール・Esplanade Theatres on the Bay

演出:城田優、金谷かほり
音楽監督:SWEEP 衣装:齋藤ヒロスミ/西坂拓馬 照明:澁谷賢治 音響:明星隆志
映像:ムーチョ村松 舞台監督:清水正道
主催:キョードー東京

●城田優 Profile
1985年12月26日生まれ、38歳。
2003年に俳優デビュー以降、テレビ、映画、舞台、音楽など幅広く活躍。近年の主な出演作に、NHK大河ドラマ『どうする家康』、連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(語り手) 、Netflix『トークサバイバー!〜トークが面白いと生き残れるドラマ〜』シーズン2 、Amazon Primeドラマ『エンジェルフライト~国際霊柩送還士~』、映画『コンフィデンスマンJP英雄編』などがある。舞台では2010年にミュージカル「エリザベート」で第65回文化庁芸術祭「演劇部門」新人賞、2021年ミュージカル「NINE」で第28回読売演劇大賞優秀男優賞を受賞するなど数々の賞を受賞。 2016 年に「アップル・ツリー」で演出家デビュー。演出・主演作品に、2019年版ミュージカル「ファントム」ミュージカル「カーテンズ」、演出作品に、米倉涼子との共同プロデュースによるエンターテインメントショー「SHOW TIME」がある。2023年ミュージカル「ファントム」再再演では、主演・演出、助演シャンドン伯爵役の3刀流という、前代未聞の挑戦に臨み話題に。 俳優からプロデュースまで幅広く活躍する城⽥優の才能は、⾃⾝のインターナショナルなルーツ、また活動の多様性とクオリティの⾼さに加えて、芸術への情熱と妥協しない姿勢が結びついている。

●清水美依紗 Profile
2000年3月10日生まれ、23歳・三重県出身。
2021年6月、ディズニーのグローバルな祭典「アルティメット・プリンセス・セレブレーション」の日本版テーマソング「Starting Now~新しい私へ」の歌唱アーティストに選ばれる。2022年4月、メジャーデビューシングル「High Five」をリリース。
同年9月、ミュージカル「フィスト・オブ・ノースター~北斗の拳~」にてミュージカル初挑戦。今年2023年、ブロードウェイ・ミュージカル「ビートルジュース」のリディア役として出演。来年2月〜、MUSICAL「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」のエリナ・ペンドルトン役として出演。
2024年1月11日〜初のドラマ主題歌「Sugar」を配信リリース中。

写真:©entax

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