手作り豆腐で炊き出しを支援 能登半島地震で田辺市龍神村の店、和歌山

「るあん」お薦めの豆腐セットを詰め合わせた「チャリティーボックス」

 石川県で最大震度7を観測した能登半島地震を受けて、和歌山県田辺市龍神村小又川のとうふ工房「Tofu&Botanical Kitchen LOIN(トーフ&ボタニカルキッチン るあん)」は、お薦めの手作り豆腐を詰め合わせた「チャリティーボックス」の販売を始めた。送料を除く代金3千円の全てを、被災地で行われている炊き出しの活動に寄付する。

 るあんでは、かまどを使ってまきで炊く龍神村の昔ながらの製法で「ざる豆腐」や「地釜豆腐」「おぼろ豆腐」などを手作りしている。冬季は店舗営業を休止し、インターネットのECサイト(https://loin-ryujin.stores.jp/)でのみ販売している。

 炊き出しは地震発生後、能登半島の輪島市や七尾市のシェフが中心となり始めた取り組み。七尾市と協力し、被災地のシェフや周辺から集まった料理人とも力を合わせ、「温かくおいしい食事を提供したい」と被災者に食事を提供しているという。

 「るあん」の小澤聖オーナー(51)によると、自分たちも被災し、店も家も被害に遭っている中、現地で奮闘している人たちを少しでも支援したいと考え、支援金を届けるためにチャリティーボックスの販売を始めた。SNSで協力を呼びかけたところ、大きな反響があったという。豆腐は全て手作りのため一度に対応できる数に限りはあるが、1週間に1回のペースで順次、豆腐の準備ができ次第販売を継続している。

 小澤オーナーは「今はまだ被災地には行けないけど、豆腐屋らしく、料理人らしく、『おいしい』という気持ちで通じ合える支援がしたいと思い、チャリティーボックスの販売を始めた。おいしいものを食べてお客さまに喜んでもらい、『おいしい』を通じて皆さんの支援金と温かな気持ちを能登半島に届けたい」と話している。

 チャリティーボックスは「地釜豆腐」2丁と、「ざる豆腐」や「おぼろ豆腐」、おからを使った焼き菓子「おからメイト」それぞれ2個入りで、税込み3千円。ルアンのECサイトでのみ販売している。一つ当たり代金3千円の全てを、炊き出しの活動の事務局となっているグループ「北陸チャリティーレストラン」に寄付する。

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