【AJCC】週末の雨予報で浮上するタフガイ 高齢馬「0.0.1.32」の取捨は……

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例年、8歳以上の高齢馬が凡走に終わるアメリカJCC(GII、芝2200m)だが、今年は8歳馬4頭のうち、ボッケリーニマイネルウィルトスの2頭が上位人気に推されそうな様相だ。

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■高齢馬が大苦戦のワケ

過去10年において、8歳以上の成績は【0.0.1.32】と大苦戦。2頭にとっては嫌なデータとなるが、この33頭を見ていくと、前走が重賞で3着以内に好走していた馬は3頭のみ。さらに、この3頭のうち2頭は順調に使うことができず、半年以上の休養を経ていた。

つまり、ボッケリーニやマイネルウィルトスのように順調に使われて、衰えに屈することなく直近の重賞で好走できるだけの高齢馬はいなかった、ということだ。成績が悪いのも自然な結果と言えよう。

これまでの高齢馬と比較して、2頭とも勢いと実績はまったくの別モノ。ボッケリーニに関しては、2200m以上の距離を中心に使われ始めた2022年以降、GI以外の重賞で【2.5.1.0】複勝率100%をマークする安定感っぷり。馬場不問で8歳だからと言って割り引くのは安直過ぎる。

■週末の雨の影響は……

今週末、中山競馬場の天気は雨予報。年を重ねるにつれてスピード能力が落ちていく中で、相対的に高齢馬にとっては、恵みの雨となりそうだ。

特にこの雨で笑顔がこぼれるのはマイネルウィルトス陣営だろう。同馬は2022年の函館記念を2着し、その後は繋靭帯炎により1年の休養を余儀なくされたが、復帰戦となった翌年の函館記念で10番人気ながら4着に健闘。いずれも馬場が渋った洋芝というシチュエーションで、上がり最速の脚を使っていた。渋った馬場では【2.2.3.3】複勝率70.0%の安定感。底力を求められる冬の中山で雨が降るなら、この馬のタフネスはさらに魅力に映る。

馬主のサラブレッドクラブ・ラフィアンは、2023年にユーバーレーベンで3着、22年にマイネルファンロンで2着の実績があり、いずれもマイネルウィルトス同様に母父ロージズインメイのビッグレッドファーム生産馬。同馬もラフィアンの馬らしく、こういった条件は大得意だ。アメリカJCCは距離短縮組が良績を収めているようにスタミナ必須の舞台。距離があるだけいいタイプだが、2200mなら力は出せる。

一方、7歳以下で重賞勝利実績があるのはモリアーナとラーグルフのみ。人気サイドのチャックネイトは前走アルゼンチン共和国杯3着までで、マイネルウィルトスはそこで先着している。メンバー手薄の今回は【0.0.1.32】のハードルを超えることも叶いそうだ。

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(Asuka.F/SPREAD編集部)

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