トヨタ・カムリXSEにスイッチのジミー・ジョンソンが参戦枠拡大。NASCARカップ9戦に出場へ

 今季よりトヨタ陣営にスイッチし、NASCARカップシリーズで新型『トヨタ・カムリXSE』を走らせるレガシー・モーター・クラブは、通算“7冠”のレジェンドでチーム共同所有者でもあるジミー・ジョンソンのプログラム拡大を発表。2024年はシーズン開幕戦の『デイトナ500』やインディアナポリス・モータースピードウェイでの第22戦『ブリックヤード400』を含む全9戦に出場する。

 さらに、昨季は元F1王者ジェンソン・バトンを含めパートタイムのドライバーを多数起用したリック・ウェア・レーシング(RWR)も、新たに51号車フォード・マスタング“ダークホース”カップカーにジャスティン・ハーレイを起用するとアナウンス。一方の15号車は昨季同様、複数のドライバーがシェアすることになりそうだ。

 近年は北米最高峰のシングルシーター選手権、NTTインディカー・シリーズへの本格挑戦を続けてきた“JJ”だが、改めて2021年まで支援を受けてきた中古車流通大手『カーバナ』のサポートを得て今季も84号車のステアリングを握り、カレンダーを象徴するデイトナ500、ブリックヤード400、そしてフェニックス・レースウェイでのシーズン最終戦に出場する。

 そんなジョンソンの24年仕様車には3種類のペイントスキームが用意され、チームによれば「NASCARとインディカーで彼が築き上げた遺産に敬意を表する」ことになるという。そのデザインは開幕前にも披露される予定だ。

「NASCARでの復帰セカンドシーズンに向けて、ジミーとレガシー・モーター・クラブと提携できるなんて、これ以上興奮できることはないよ」と語るのは、中古車の“自動販売機”で話題を呼んだカーバナ共同創設者兼最高ブランド責任者であるライアン・キートン。

「ジミーは本年度の殿堂入りで認められたように、チャンピオンの真の体現者であるだけでなく、トラックの内外でリーダーでもあり、今季も彼が何を達成するかを見るのが待ち切れないね」

 そんなジョンソンはチーム共同所有者としてフルタイムのエリック・ジョーンズやジョン・ハンター・ネメチェクとともに、デイトナ、テキサス、ドーバー、カンザス、シャーロット、インディアナポリス、カンザス、ラスベガス、そしてフェニックスの9戦でエントリーする3台目のクルマに乗る予定だ。

昨季の3戦から大幅な参戦数増加を見込む通算“7冠”のレジェンドでレガシー・モーター・クラブ共同所有者でもあるジミー・ジョンソン
医療産業大手のアドバンスヘルスとの提携を発表後、全米小売チェーンのダラー・ツリー/ファミリー・ダラーとのスポンサー契約もアナウンスしている

■RWR加入のハーレイ「明るい未来がある」と新天地に期待

「NASCARでの復帰2シーズン目、そしてパートナーとして全体で4シーズン目となるカーバナを代表し、私の大好きなレースで戦えることをとても誇りに思う」と、昨季の3戦から大幅な参戦数増加を見込むジョンソン。

「カーバナはクルマとレースの楽しさを捉えた楽しいブランドであり、我々レガシー・モーター・クラブとのパートナーシップを活用して素晴らしい仕事をしている。新しいトヨタ・カムリXSEでデイトナ500のトロフィーをもうひとつ獲得できるチャンスに興奮しているし、そのペイントスキームはきっとファンのお気に入りになるだろうね」

 一方、昨季7月にもハーレイのチーム加入を発表していたRWRは、この24歳にチームの主力ドライバーの地位を託し、同じくフロントロウ・モータースポーツから移籍加入したクリス・ローソンをクルーチーフに据えた。

「ジャスティンは非常に才能のあるレーシングドライバーであり、RWRの全員が彼を我々の組織に迎え入れることを楽しみにしている」と語るのは、オーナーを務めるリック・ウェア。

「我々はこのRWRを、昨季のドラッグレースやオートバイで享受した成功と同等の、競争力あるNASCARチームに育て上げていきたい。そのうえでジャスティンも勝ちたい、ローソンも勝ちたい、そんな気持ちこそがNASCARプログラムを向上させるために必要な考え方なんだ」

 昨季までの2年間はカウリグ・レーシングのシボレー・カマロZL1をドライブしてきたハーレイだが、本人はすでにNASCARの3大ナショナルシリーズのすべてで勝利を記録しており、今季はカップシリーズでのフルシーズン4年目を迎える。

「RWRにはこのスポーツにおける長い歴史があり、明るい未来がある」と新天地での期待を語ったハーレイ。

「リックとRWRのスタッフは、トラック上でもショップに戻っても僕の能力を心から信じてくれている。それは僕にとって世界のすべてを意味し、次のステップに進み、改善したいと考えているドライバーとして最適な環境だ」

「スポーツに対する彼の献身的な姿勢を称賛しているし、彼は何年にもわたってガレージの定番であり続けている。僕もリックのビジョンをしっかりと見届け、それを実現する男になりたいと願っている」

昨季はジェンソン・バトンやマイク・ロッケンフェラーとともに、ガレージ56の一員としてル・マン24時間参戦も果たした
そのバトンもドライブしたRWRの15号車は引き続きシェア参戦となり、51号車はジャスティン・ハーレイ(左)に託される

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