直木賞に万城目学さん「八月の御所グラウンド」 河﨑秋子さん「ともぐい」

万城目学さん「八月の御所グランド」

 第170回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が17日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、直木賞に万城目学(まきめ・まなぶ)さん(47)の「八月の御所(ごしょ)グラウンド」(文芸春秋)と河﨑秋子(かわさき・あきこ)さん(44)の「ともぐい」(新潮社)が選ばれた。芥川賞には九段理江(くだん・りえ)さん(33)の「東京都同情塔(とうきょうとどうじょうとう)」(新潮12月号)が選ばれた。

 万城目さんは京都大法学部卒。京都を舞台に学生たちが躍動する青春ファンタジー小説「鴨川ホルモー」で2006年にデビュー。「鹿男あをによし」「プリンセス・トヨトミ」などが次々と直木賞候補入りし、映画化作品も話題になるなど、瞬く間に人気作家となった。直木賞はノミネート6回目で受賞した。

 「八月の御所グラウンド」は、友人につき合って草野球大会に出場した男子大学生が、死んだはずの名選手らしき人物に出会い、ともにプレーに興じるファンタジー小説。京都御苑内のグラウンドに現れたその人物はいったい何者で、何をしに来たのか-。この国の「八月」を、時空を超える万城目ワールドの中で叙情的に描いた。

 

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