山中文化会館を利用停止 加賀市、能登半島地震で損壊 5団体事務所に移転要請

利用停止が決まった山中温泉文化会館=加賀市山中温泉西桂木町

 加賀市は17日、集会施設「山中温泉文化会館」の利用を停止すると市議会総務経済委員会で報告した。耐震基準を満たしておらず、能登半島地震で施設の損壊が確認されたことから、人命優先の措置を取る。会館に事務所を置く山中温泉地区まちづくり推進協議会など5団体には、今年度末をめどに移転を要請した。

 同館は1973(昭和48)年に建設された鉄筋コンクリート造り3階建て。千人収容の大ホールや会議室を備え、住民や各種団体の会合、イベントなどで活用されてきた。同まちづくり推進協議会、山中温泉観光協会、山中温泉旅館組合、山中商工会、山中ロータリークラブの事務所が入る。

 市によると、能登半島地震で貸館施設の壁面、床面のひび割れ、窓ガラス破損、大ホール天井材やつり天井材の剝落、落下などが確認され、骨組みの損傷も想定されるため、17日から利用を停止した。

 既に受け付けていた貸館利用予約は他所への代替を依頼し、事務所については各団体と協議しながら進めていくとした。

 同館は市の公共施設の統廃合や機能転換などを検討する外部検討委員会で、廃止の方向で検討すべきとする意見がまとまっていた。

  ●罹災証明申請書1件を一時紛失

 市議会総務経済委員会では、市側が今月3日に受け付けた罹災(りさい)証明書の交付申請書1件を一時紛失したことを報告した。7日の現地調査で申請者に再記入を依頼した。その後、他の書類に紛れ込んでいた最初の交付申請書が見つかった。

 加賀温泉駅南地区開発構想については昨年12月28日、開発コンサルタント「長工」(三重県四日市市)と同開発事業の観光・商業・公共集客エリアにおける官民連携に関する協定を締結したとした。

 市の100%出資会社「加賀市総合サービス」の社長退任に伴い、営業を強力に進める人材確保に向け、今月下旬から代表取締役候補を民間、居住地を問わず広く公募する。年間1千万円程度の役員報酬、業務実績による変動を想定。4月の選考会、5月以降の採用、取締役会などの承認手続きを予定する。

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