地域史刻み一世紀 南砺の月刊紙「城端時報」、1月特集号で歩みや寄稿掲載

創刊100周年の記念号や記念講演会に向けて準備をする水上代表(右)と永井さん

 富山県南砺市城端地域の月刊紙「城端時報」が、2月に創刊100周年を迎える。20日発行の1月号は4ページ建ての特集号として時報の歩みを掲載する。9代目代表の水上成雄さん(85)は「購読者や支援者の存在を支えに、先輩同人が歩んだ道を励ましの声として、これからも地域の歩みを刻んでいきたい」と決意を新たにしている。

 城端時報は1924年2月11日に旧城端町の有識者や有志らが創刊。日中戦争の影響で37年に一度廃刊したものの、46年に再刊した。70年代には元本紙記者も執筆者に加わるなど積極的な取材、編集活動を行ってきた。85年に縮刷版の上下を出版。2014年に90周年記念として「城端時報に見る我が郷土史・上中下」として再刊するなど城端の近代史をたどるのに欠かせない資料になっている。

 1月号には歩みのほか、東京城端会会長の久藤弘之さん、南山田地域づくり協議会長の水上和夫さん、地元俳人の川井城子さんの特別寄稿を掲載。水上さんは「手づくりの情報が地域を育てる」と題し、紙媒体のコミュニティー紙の役割を記す。

 現在の発行部数は650部で執筆者10人が分担して配達する。これまで何度か廃刊の話が出たものの、つないできた。編集を担当する永井良幸さん(80)は8代目代表だった故山本哲也さんの「継続が大切」の言葉は大きかったという。「今後も発行を続けていくためにも若い人たちに携わってもらえたら」と話している。1部100円。年間購読の場合は、城端地域の配達可能エリアで1200円。郵送の場合は2千円。問い合わせは電話0763(62)2555。

 2月18日に城端伝統芸能会館じょうはな座で記念講演会を開くほか、歴代紙面のパネル展示も行う。

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