新調の刺し網ずたずた 泊漁業協同組合(富山県朝日町)

 「年末に新調したばかりだったのに、一撃でやられた」。泊漁業協同組合(富山県朝日町)の刺し網漁師、徳田聖一郎さん(36)は唇をかむ。地震後に引き揚げた網はずたずたに引き裂かれていた。「アバアシ」と呼ぶロープだけはまだ使えるからと、絡みついた網をはさみで切り外す。

 本来なら、今はアカガレイなど豊富な魚種が獲れ、一年で一番の書き入れ時だ。だがほかの網も消失し、休業せざるを得ない。被害額は300万円を上回りそうだ。「できることからやるしかないが…」。表情に悔しさがにじんだ。

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