酒井法子さんや掛布雅之さんら 神戸・長田の大正筋で黙とう、トークショーやライブも 阪神・淡路大震災29年

震災復興のイベントに登場し、観客に手を振る(手前右から)松村邦洋さん、掛布雅之さん、酒井法子さんら=神戸市長田区二葉町、大正筋商店街(撮影・風斗雅博)

 阪神・淡路大震災で大火に見舞われた神戸市長田区の大正筋商店街で17日、震災復興フリーイベント「ONE HEART(ワン・ハート)」があった。歌手の酒井法子さんらがゲスト出演。夕暮れ時のアーケードに親子連れや買い物客らが集まり、29年前の悲しい記憶に思いをはせていた。

 同商店街は約9割の店が焼失し、本格的な再出発まで約10年かかった。イベントは震災の風化を防ごうと、同商店街などでつくる実行委員会が主催。今年で20回目になる。

 特設ステージでは午後5時46分、出演者と来場者が黙とうをささげた。その後、神戸野田高校の生徒らが復興と鎮魂を願う曲「しあわせ運べるように」を歌った。

 プロ野球・阪神タイガースOBの掛布雅之さんとタレントの松村邦洋さんも登場。阪神日本一トークショーや酒井法子さんのライブもあった。

 商店主らがカレー200食を炊き出し、同時に能登半島地震の義援金も募った。2歳の娘と買い物帰りに立ち寄った女性(32)=同市長田区=は、「自宅で1人でするのではなく、たくさんの人と一緒に黙とうができ、亡くなった人に思いをはせられた」と話した。(劉 楓音)

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