(詳報)6カ月女児死亡、食物誤嚥で窒息か 保育園のリンゴすったおろし器には7、8ミリの穴

女児が通っていた興教寺保育園=姶良市西餅田

 鹿児島県姶良市の認可保育所「興教寺保育園」で4月、6カ月の女児がおやつ後に急変、意識不明の重体となり約40日後に死亡した事案で6日、女児の保護者が代理人弁護士を通じ、司法解剖によると死因は多臓器不全だったと公表した。食物誤嚥(ごえん)による窒息の疑いにより、低酸素脳症を引き起こしていた。

 代理人によると、誤嚥の原因となった食物は明らかになっていない。

 上原信園長は5月24日、南日本新聞の取材に対し、おやつに出したリンゴをすったおろし器は直径10~12センチの円形で、直径7、8ミリの穴が30個ほど開いていたと説明。「固形の物が残る可能性はゼロではない」と話した。

 女児が急変した4月18日は、午前9時50分ごろにすりつぶしたバナナと麦茶、午前11時半ごろにおかゆ、すりつぶした大根とニンジン、スープを与えた。その他、午前10時半と午後1時半ごろにミルクを飲ませた。

 登園時の午前8時55分と、午後0時20分の体温はどちらも36度3分。午後1時20分に園医の内科検診があり、「異常なし」だった。2時40分ごろから同3時12分ごろまで昼寝をしていた。

 園によると、4月18日午後3時半ごろ、保育士が女児に麦茶とすりおろした生のリンゴを少しずつ与えた後、あおむけに寝かせたところ様子が急変し、病院に搬送された。意識不明の状態が続き5月28日に死亡した。

 国のガイドラインは、リンゴや梨は離乳食完了期まで加熱して提供するよう注意を促している。

取材に応じる上原信園長=5月24日、姶良市西餅田
女児の遺族が心情や保育所の対応について回答した文書

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