カルビー、宇都宮の研究棟増築 来月着工、25年春稼働 外部連携促進で開発力向上へ

カルビーが整備する新研究棟の完成予想図

 カルビー(東京都千代田区、江原信(えはらまこと)社長兼最高経営責任者=CEO)は17日、宇都宮市清原工業団地の研究施設「R&Dセンター」の実験研究棟を増築すると発表した。延べ床面積を2倍以上に拡大して研究基盤を強化するほか、交流スペースも新設して大学や民間企業など外部機関との連携を促進し、商品開発力の向上につなげる。2月に着工し、2025年春の稼働開始を予定する。

 カルビーは本県に3拠点(宇都宮市内の工場2カ所とR&Dセンター)を構える。このうち同センターは、同社製品の主要な開発拠点で、新製品開発に向けた素材の研究などを進める実験研究棟と、新商品の製造や既存商品の品質向上に取り組む開発生産棟で構成する。

 研究基盤の強化を図る中、現在の実験研究棟が手狭となったため、一部を取り壊して増築する。新たな研究棟は一部2階建て。延べ床面積は約9100平方メートルと、従来の約4千平方メートルから倍以上に広げる。建設費は非公表。

 研究エリアを拡張することで、製品の原料に含まれる成分の機能を分析する基礎研究や、製品が健康にもたらす効果などを調べる機能研究、安全性を担保する品質研究を強化する。腸内細菌や睡眠など健康分野での研究も推進するとしている。

 同社は民間企業や大学と連携し、商品が健康にもたらす効果や食品由来の成分の機能調査といった共同研究も行ってきた。新たな研究棟には専用の交流スペースを設けて外部機関との連携を促進し、さらなるシナジー(相乗効果)の創出を図る。

 社員向けにも、個人の作業がより集中しやすくなるようブースを設けるなど、多様な働き方に対応したオフィスの整備も予定する。

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