シーズン開幕後に2カ月オフ? 超名門スタンフォード大で学ぶローズ・チャンの人生設計

ローズ・チャンは開幕戦後に2カ月の“オフ”を挟む(撮影/亀山泰宏)

◇米国女子◇ヒルトン・グランドバケーションズ トーナメント・オブ・チャンピオンズ 事前(17日)◇レイクノナG&CC (フロリダ州)◇6608yd(パー72)

ローズ・チャンにとって、この2024年シーズン開幕戦が1月にプレーする唯一の試合となる。次戦は3月21日開幕の「朴セリLAオープン」(カリフォルニア州パロスバーデスGC)を予定。今週の会場から車で2時間ほどしか離れていない次週「LPGAドライブオン選手権」も、2月から3連戦で行われるアジアシリーズも出場しない。「少し時間ができるから、たくさん勉強したい」。20歳は、世界的な名門・スタンフォード大で学ぶ大学生プロだ。

実は今週も大学の課題を持ち込んでおり、それを終えたのは17日に日付が変わってから。一気に冷え込んだ同日午前7時30分にショットガンでスタートしたプロアマまで、短い時間を休息に充てた。「統計学、ジャーナリズム、政治学、メディア心理学…。全てが本当に興味深いし、フルコースだから、夜遅くまでかかるのは分かっている」と笑う。

卒業に必要な180単位のうち、2年間でおよそ半分を取得。冬の四半期ごとに20単位を取得し、ほかのクオーターでも認められればオンライン授業を受けるなど、2026年に卒業できる見込みと話す。

オリンピックの代表争いや欧州選抜との対抗戦「ソルハイムカップ」の米国選抜入り、年間タイトルレースにおいてチャンスを狭める可能性を問われると、いま学べることの価値を強調した。

「私の周りにはすでに起業している友人、超一流企業でインターンシップを経験している友人もいる。みんなそれぞれに切磋琢磨していて、私にとっても同じように努力できる良い環境なんだ」。その上で「私の心の中では、いいプレーができれば、大きなイベントでプレーできる機会も得られるだろうと思っているけどね」とも言った。

昨年6月「みずほ アメリカオープン」を制し、1951年のビバリー・ハンソン以来72年ぶりとなるプロデビュー戦優勝という快挙を遂げた。「これまでもたくさんのことが起きたけど、これからもきっとたくさんのことが起こると感じている」。騒がしい周囲に惑わされることなく、自分の決めた道を歩もうとしている。(フロリダ州オーランド/亀山泰宏)

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