私立大学の2024志望動向|早上理|MARCH|関関同立|出願予定や得点率は 河合塾が共通テストリサーチ動向発表

私立大学の志望動向

 2024年1月13、14日に行われた大学入学共通テストについて、大手予備校河合塾は1月18日、37万人を超える受験生の自己採点・志望校データ(共通テストリサーチ)から志望動向などを分析し発表した。早上理やMARCH、関関同立など私立大学の志望動向を紹介する。

私立大学の志望動向

 私立大学を1件でも記入した人は前年比98%、延べの志望者数は99%となった。主に国立大との併願者が志望する5教科方式が109%で1割近く増加した。特に難関私大の人気が鮮明で、早稲田大学、上智大学、東京理科大学は前年比107%に上昇。MARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)は106%、関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)は108%にアップしている。その他の大学は96%で減少した。

 早上理、MARCH、関関同立の3グループの成績分布を見ると、ボーダー得点率70~79%で志望者が増加しており、主に国立大学の併願者が手厚く出願しているとみられ、国立大学を検討しつつも、どこかで合格を勝ち取りたいとの思いが垣間見える。

 首都圏では上智大学が122%と大幅に増加。キャンパスを移転する立命館大学の情報理工映像学部などでも人気を示している。

⇒【志望動向】国公立大学の志望動向は?河合塾調べ

難関私立大を中心に増加…併願者が手厚く「共通テスト利用」か

 受験人口が減ることに加え入学定員は増加し、競争緩和が進んでいる。また、新課程入試の前年に当たり、翌年の入試の変化を敬遠する動きがどこまで広がるか注目される。共通テストの平均点は前年並みだったことから、国公立大学の人気は堅調だが、現時点ではやや難関大学の志望を控える動きが見られている。平均点に大きな変化はなかったが、難関大受験の目安となる8割以上を得点した受験生は昨年より1割ほど増加しており、出願段階で難関大学の人気が上昇する可能性がある。

 私立大学では難関大学を中心に志望者を増加。背景には国公立大学との併願者が手厚く共通テスト方式を利用しようとする動きが見られる。募集人員が増えたの情報系では出願予定者が前年並みのため、競争緩和が期待される。

⇒【志望動向】国公立大学の志望動向は?河合塾調べ

平均点が前年並み…出願傾向どうなる?

 共通テストの平均点が前年と変わらない年は、事前に検討した通りに出願する受験生が多くなり、模試時点の動向と同じ傾向になる。ただ、各得点率帯の受験生の増減にも注意が必要。今回は英語リーディングで高得点層が減っており、英語の配点が高い大学では敬遠される動きが出る可能性がある。

 また、平均点に変化がないと、入試変更や過去の倍率が注目されやすい。入試変更では、科目負担が減った大学の出願者が増える傾向がある。また、前年志願者が大きく減少した大学では、今回は志願者の大幅増に注意が必要。福井大学の医学科前期では、2020年度の志願者が119%、2021年度が74%、2022年度が192%、2023年度が56%と4年連続で増減を繰り返し、隔年現象を起こしている。

⇒【平均点】共通テストの平均点、中間発表を見る

⇒【難易度】今回は難しかった?難易度と過去平均点一覧

⇒【問題と解答】共通テスト2024年の問題と解答

主な大学、福井県内の大学のボーダーライン

■国公立大学

⇒東京大学 ⇒一橋大学 ⇒京都大学 ⇒大阪大学 ⇒東北大学 ⇒神戸大学 ⇒北海道大学 ⇒名古屋大学 ⇒筑波大学 ⇒福井大学 ⇒福井県立大学 ⇒敦賀市立看護大学 ⇒金沢大学

■私立大学

⇒早稲田大学 ⇒青山学院大学 ⇒上智大学 ⇒明治大学 ⇒中央大学 ⇒法政大学 ⇒立教大学 ⇒関西大学 ⇒関西学院大学 ⇒同志社大学 ⇒立命館大学

 

© 株式会社福井新聞社