白浜空港の「滑走路延伸」を宣言 和歌山県知事、より遠くから国際チャーター便誘致狙う

2023年7月に、南紀白浜空港に到着したベトナムからのチャーター便(和歌山県白浜町で)

 和歌山県の岸本周平知事は18日、南紀白浜空港(白浜町)の活性化に向け、滑走路を延伸する考えを明らかにした。費用対効果や建設関係の技術面についての調査予算を県議会2月定例会に提案する方針。予算査定の中で、岸本知事は「一日も早く2千メートルから2500メートルにすると、今ここで宣言する」と述べた。それを前提に調査を進めたいという。

■国際便の誘致推進

 県によると、現状の滑走路では飛行機の重量の関係で国内線は小型便しか使用できず、国際チャーター便は遠方からになれば燃料を多く積む必要があるため、搭乗制限しなければならない。実際、昨年7月のベトナムとのチャーター便では、180席のうち40席を空席にせざるを得なかった。2500メートルに延伸すると、これらの解消が見込め、より遠くの国からの国際チャーター便誘致も狙えるという。

 2024年度の一般会計当初予算案の編成に向け、岸本知事が直接査定する「知事査定」が18日に始まり、白浜空港の滑走路延伸に向け、費用対効果を調査し事業の可能性の是非を判断する費用(106万円)などを議論した。

 県土整備部は「全国でインバウンド(訪日客)の需要回復を図っているが、白浜空港は外国人の利用が多くない。改善したい。国際チャーター便の誘致などに、滑走路の延伸は必要」などと説明。岸本知事は「延伸を前提として(調査を)スタートさせてほしい。費用対効果があると感触を得てからで結構だが、建設に係る調査も合わせて行ってほしい」と答えた。これを受け、周辺地形や施設の配置などを含めた建設に関係する調査費用についても、当初予算案に盛り込むよう、検討することとした。

 空港関係では、滑走路延伸を含め、現状3往復の羽田便を4往復にすることを目指し、利用者増を図るほか、空港とJR紀伊田辺駅を結ぶアクセスバスの実証運行、空港の看板や標識を愛称「熊野白浜リゾート空港」に更新するなど、空港利用促進事業(計約3800万円)の説明があった。岸本知事は「県の空の窓口として重要な拠点であり、県の観光や産業の活性化を図る観点から、関係部局や民間企業との十分な連携を前提に認める」と話した。

 知事査定は、特に政策的判断が必要な7事業、約123億円が対象。24日まである。

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