【AJCC/全頭診断】「2.5.1.0」条件合致の古豪が本命候補 カギは道悪適性

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今週は中山競馬場で、第65回アメリカJCC(GII、芝2200m)が行われる。かつてはGI馬も参戦した伝統のレース。雨予報の今年は道悪適性も重要なファクターとなりそうだ。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬12頭の全頭診断を行う。

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■アメリカジョッキークラブカップ2024 出走予定馬全頭診断

・アドマイヤハレー

早め先頭からそのまま押し切った前走。6歳にして本格化を予感させる一戦だったが、出走馬7頭でメンバーレベルに疑問が残るレースだった。冬の中山は得意条件だが、連対圏突入は至難の業か。

・カラテ

12-2月の中山芝は【3.1.0.2】と好走が目立つ条件。重賞勝ちの2戦はいずれも休み明けローテでもあり、何らかの印は必要か。

・クロミナンス

3勝クラスでの好走は直線の長いコースに限定。7歳にして迎える初の芝2200mでもあり、苦戦は免れられないか。

・サンストックトン

オープンクラスでは【0.0.0.4】掲示板内なし。GIIのメンバー相手は厳しいか。

・ショウナンバシット

日本ダービー以降は惨敗が続く馬。早熟説も飛び出しそうだが、高速馬場や外枠などマイナス材料が積み重なったのも事実だ。翻って、今回の条件は【2.1.1.0】と大崩れのない12-2月の冬競馬。雨予報で道悪濃厚な週末の馬場コンディションを踏まえると、稍重-不良馬場の成績【2-0-1-1】も見逃せない。

・シルブロン

近3走は勝ち馬と1秒以上離されるレースが続いている。3600→2200mと一気の距離短縮で臨むローテーションも気がかりだ。

・チャックネイト

昨年使われた5戦はすべて左回り。右回りの成績【1.1.3.1】を見るより十分にこなせる条件だと思うが、陣営が頑なに使わなかったのは広いコースへの適性を見出したからとも捉えられる。中山芝では大崩れこそないが、未勝利や2勝クラスで連対外もあった条件。勝ち切るためのハードルは高そうだ。

・ホウオウリアリティ

2走前は先行押し切り、前走は4角13番手とレースのたびに脚質が変わる馬。掴みどころがないタイプだが、昨年冬に中山芝で連続好走をはたした先行脚質がもっとも合っている印象だ。ゲートが開いてみないとわからない部分はあるが、確たる逃げ先行馬不在のここで先手を奪った際の粘り込みには警戒したい。

・ボッケリーニ

5走前は中山の日経賞で2着。本格化を遂げた2022年以降はGII・GIIIで【2.5.1.0】馬券内率100%を誇っており、安定感には目を見張るものがある。週末想定される馬場コンディションを考えたとき、稍重-不良馬場の成績【1.4.0.1】も歓迎材料。極端に評価を下げることはできない。

・マイネルウィルトス

アルゼンチン共和国杯、ステイヤーズSと長距離重賞での好走が目立つ馬。距離が延びた影響もあったと思うが、前走はある程度の位置で運べており戦法の幅が広がったのは収穫と言えそうだ。一気の距離短縮での追走はやや不安も、ノーマークにはできない。

・モリアーナ

2走前に中山芝での重賞勝ちがある馬。舞台替わりは歓迎と言えるが、当時は稍重芝2000mで1分58秒0が出る高速馬場だった。時計の速い馬場が合うタイプの同馬にとって、今週末の雨予報はマイナス材料。過去10年の当レースでGI未勝利の牝馬は【0.0.0.6】と良績に乏しく、未知の距離に挑む点も含めてバッサリ切る選択肢も考えたい。

・ラーグルフ

中山金杯や中山記念、ホープフルSが示すとおりの冬の中山巧者。ただ距離や道悪適性に一抹の不安を抱える点から、ここは押さえ程度が妥当か。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2024年1月18日 18:01公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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